2016-07-26

福島県空間放射線量調査報告その2



ブログ更新が遅くなりましたが、2015年12月の測定結果についてアップしておきますね。


2014年11月にアップした「2014年6月~10月福島県空間放射線量調査報告」の続報です。




2014年と同様の測定方法で、2015年12月11日に再測定を行ったMUさんのコメントです。

今回は、すでに開通している高速常磐道広野ICで下り、国道6号線を北上。
原の町より県道12号線を通り、福島市内へ走行した。
助手席でサーベイメーターの値を読み取り記録して貰い、下車しての測定は行っていない。
したがって、除染作業の進んだ道路沿いの車から数10m以内の車体をすり抜けてきた空間放射線量となる。

赤字で示した数値が今回のもので、前測定値より高く出ている場所もあるものの、
極めて概ねですが走行ルート上では半減されています。
しかしながら、第一原発に近付くに従い、サーベイメーターの検出音はけたたましくなり、測定レンジを変えなくてはならなくなった。
車内からは、土を入れ替え作業中の田圃と汚染土の入った黒いバッグが積み上げられた風景と、携わる作業員用の宿舎で広大な公共事業となっていた。


生活を奪われた皆さまに早く帰宅していただきたいのは当然であるが、
本来あってはならない放射能汚染に安全などと考えることはできるものではない。

12/21 
環境省が放射性物質は流れずに土中に固定されたとの判断で汚染地域で生活圏外の除染は行わない。との報道があった。
広大で複雑な地形での除染が難しいのは理解できるが、そのような判断は間違いとしか言いようがない。





続いて不法投棄現場での測定結果です。







今年、3/20に放射能汚染を計測してみた時の断面模式図です。
2箇所の似た不法投棄現場をまとめた図で、計測距離は表面より5cm程度。

放射線量は、線源(核種)に近い程高くなりますので、
線源に密着させれば当然、高放射線量となります。
最大で15μSv/hとなりましたが、更に計測範囲を広げれば全体の汚染分布が掴めるでしょうが、早々に立ち去りました・・。

14年秋に計測した際に表面上で5μSv/hを示した場所で、当時より残土の厚みが低くなっていた。
表面線量が低下していたので、どうなったのかと斜面を下りたところ、下方ほど高線量となっていて線源は風雨で浸み込んだものの、締まった法面と岩盤には浸み込まずに法面に沿って残土下方に浸み出て集約されているのだろう・・と思われた。

この林道沿いは、14年秋に除染作業中でしたので、その事業に引っ掛からないのが腑に落ちません。
不法投棄された物は、さまざまな農具や洗濯機、おもちゃ、ペットフード缶などの日曜雑貨で、地元農家の仕業でしょう。
投棄物は谷深くに達していて雨水は沢から本流へと流れて、農業用水と飲料水になっている。

ちなみに、15μSv/hは、福島第一原発入口交差点を走行した際の車内値と同じです。
また、通りがかった地元の方は「毎年ここでフキノトウを採って佃煮にして配っていたが、もう止める」と、採ってきたフキノトウをぶちまけて去って行った。
配られた家の子供たちも食べたであろう・・。
まだ、2μSv/hの話しをしていた段階でしたが、放射能汚染の実態は酷いものです。



※MUさんのブログ「秦野環境保全フォーラム」内にもアップされてますので是非ご覧ください。

福島県浜通りの放射線追測定値

除染作業終了後でも



以上です。

原発事故から5年が経過した今も放射能汚染に対しての認識は二分化されたまま、
「科学的知見」に基づかない情報は、「風評被害」という言葉でタブー視され続けてる。
ただ、当初と比べて観光に行く人、産地を気にせず食品を購入する人など、
「もうあまり気にしてない人」が増えたかもしれない。

チェルノブイリ原発事故では、5年経過頃から甲状腺癌が一気に増えたと言われてる。

第23回福島県「県民健康調査」検討委員会で公表された資料では、
先行検査と本格検査で「悪性ないし悪性疑い」と診断されたのは2016年3月31日現在で172人。

平成28年3月30日に公表された評価としては、
『本調査で得られた線量推計結果
(事故後 4 か月間の外部被ばく実効線量:99.8%が 5mSv 未満等)は、
これまで得られている科学的知見に照らして、
統計的有意差をもって確認できるほどの健康影響が認められるレベルではない


会津若松市のホームページに「放射線Q&A」があり、
回答者は、会津若松市放射線管理アドバイザー・藤田保健衛生大学客員教授 下 道國先生です。

2013年3月21日 放射線Q&A:甲状腺がんと放射線の影響
『Q2:福島県民からの甲状腺がんの人が見つかったと報道されていますが、
福島第一原発事故が影響しているのですか?』
という質問に対して




2015年2月27日 放射線Q&A18:甲状腺がんが見つかる人が増えているが原発事故の影響?
『Q18:福島県の甲状腺検査で甲状腺がんが見つかる人が増えていますが、
原発事故の影響ではないのですか?』



チェルノブイリ事故では4~5年経過してからの発症やけど、
福島原発事故はそれよりも早い発症やから関係ない?( ̄д ̄) エー・・・




※以下参照

◆生活圏外、森林除染せず…環境省方針

環境省は21日、東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の除染作業について、生活圏から離れ、日常的に人が立ち入らない大部分の森林は除染を行わない方針を有識者検討会に示した。
森林から放射性物質が飛散することによる生活圏の空間線量の増加が確認されていない上、除染で落ち葉を取り除くと、土砂流出などの悪影響が出る可能性があるため。委員から異論は出ず、環境省は近く除染ガイドラインを改定する。

引用元:毎日新聞2015年12月21日

福島県放射能測定マップ

◆原子力規制委員会 放射線モニタリング情報


◆農林水産省 農産物に含まれる放射性セシウム濃度の検査結果

◆消費者庁 食品等の放射能測定

◆厚生労働省 食品中の放射性物質検査データ



みんなのデータサイト


◆グリーンピース 放射能測定室 シルベク

◆グリーンコープ 残留放射能検査の結果



小さき花 市民の放射能測定室 代表のブログ