2013-04-08

武田邦彦教授「正しい」とはなにか?横糸編(1) 黄砂とPM


武田邦彦教授のブログに、3/17付、「正しい」とはなにか?横糸編(1) 黄砂とPM を
文字にしました(聞き間違い等ご指摘下さい)

「正しい」とはなにか?横糸編(1) 黄砂とPM

3月に小学館から『正しいとは何か』という本を出しました。
正しいという事になると、高校時代にソクラテスとかカントを勉強したなというような事を
思い出す人も居るかもしれませんが、確かに難しい、何をするべきかとか、
倫理っていうものが、哲学者の助けが必要なんですけども、
それだけでは我々の身の回りに起こる日常的な事の正しい事はどうかっていう事を
自分で判断するには、かなり大変なわけですね。
例えば、消費税アップすると。
自民党が消費税アップするのはもう決まったんだから、それなのにスーパーが還元セールを
やっちゃ困るなんていうのを法律で決めようとしているわけですが、
普通の感覚で言いますとね、消費税が3%上がると、そうすると100円の物が103円になると、
じゃあ、スーパーはその3円を引いて、100円で売るっていう努力をするのは
そんな悪いと思わないんですけど、これ悪いって言うんですね。
だけど、これが悪いのが正しいのかっていうのは、やっぱり考える元が要るわけですよ。
根拠がですね。
それから家族で親子喧嘩とか夫婦喧嘩が絶えない人が居るわけですが、
何故喧嘩するのっていうのは、あんまりしっかり考えてない人も居るわけですね。
私は、大学で15年くらい正しいとは何かという講義をしてきたわけですが、
よく学生が、先生の講義を早く聴いておけば、
まぁ良かったというふうに言う人も結構居るんですね。
実は、この本、出した本はですね、私のある考えに基づいた縦糸のようなもので、
芯を通すって言いますかね、そういったものでありますが、
それだけでは、ちょっと難しい問題を考えるのに少し不足するかなと思いまして、
小学館の『ガリレオ放談』ていう、これは小学館が運営しているブックピープルっていう、
ネットの放送なんですけど、それでも取り上げて頂き、ここでもブログに取り上げて、
そして縦糸と横糸で行こうかなというふうに思いますので、
このブログでは、しばらくシリーズを続けますが、この機会に正しいという事を
少し考えて頂こうかなと思います。
但し、ブログは横糸ですからね、あくまでも、断片的です。
筋を通した考え方は縦糸なんですが、一つ一つの事は横糸でお話を致します。

第1回は、黄砂・PMでありますが、
実は、黄砂とPMを一緒くたにして大気汚染物質といって表示する場合もあります。
これは、場合もあるって事で、日本の環境省がどうしているか、
かなり調べたんですけど、よく分からない。
どうも一緒にしてるような感じがするっていうぐらいなんですが、
全然違うもんですね。黄砂っていうのは、数千万年前、つまり人類が生まれる時からあって、
絶えず大陸から日本列島のほうに降ってくる。これは自然現象ですね。
一方、PMは石炭を焚いたり、ジーゼル発電なんか出る人工的な物質です。
それにしかも黄砂は、シリカを中心とした無機物
それからPMは油みたいなもんですから、そういう意味では黄砂が水、PMが油ですから、
別に黄砂にPMがくっついたりするっていう事はないんです。
そんな事言ってる人が居るんですけどね。
この写真は、中国の砂漠から黄砂が発生した瞬間で、太古の昔から日本に飛んで来て、
日本の大地を作って、日本の食物を育て、海を豊かにしてきました。
黄砂っていうのは、ちょっと悪い物に見えますが、弱アルカリ性で、とても良いんですね。
黄砂があったから、日本にはよく食物が育ったとも言えるんですね。
世界を歩きますと、非常に荒野っていいますか、作物が何も生えてない所って、
結構多いんですけども、日本中に、全部日本は荒野がありません。
これやっぱり一つは、黄砂があったっていう事ですね。
そういう事で、そうなってるわけであります。
アメリカでは、確か私の記憶では、こういった土埃と人工物を分けて測定してると思うんですけど、
日本では、どうも分けてないような感じがします。
それからPM2.5って言いますと、2.5μ以下と言われたりもするんですが、
これは2.5μ以下の粒子が50%ある粒子群という事で、勿論2.5μ以上の物も入ります。
したがって、黄砂は大体平均が4μぐらいですから、黄砂も測定されてるんじゃないかと思います。
このように、現在のPMの発表は、いい加減な定義と測定と発表という事が行われておりまして、
それに基づいて、PMがなんか増えたから中国は、けしからんと言ってるわけですが、
こんな事やりますと、事実を曲げても相手を非難して良いという事になりますので、
ちょうど中国が南京事件で、日本軍があんまり人を殺してないのに、
殺してると言ってるのと似た事になりますからね。
だから私は、中国と同じレベルで、日本も事実を曲げて中国を非難するような事がないように、
やっぱりちゃんとしたGentleman、紳士としてですね、大和魂と言いますか、
誠っていうか、誠実っていうか、そういうとこで議論をしなきゃいけないと思います。
ところで、PMっていうのは、石炭を焚いたりなんかして出てくる微粒子は、
1953年の12月に、ロンドンスモッグ事件ってありまして、
これで4,000人亡くなって、全体的には1万人の方が犠牲になったと言われるんですが、
こういった大きな事件も、その後のロサンゼルススモッグとか、東京の物もそうなんですが、
あまり隣の市とか、隣の国に、人に影響が及んだって事はないんですね。
ですから、中国のPMが日本に影響があるって事は、普通には考えられません
これは、テレビなんかで中国のPMに注意しなきゃなんないって言ってる人は、
どの程度の根拠があるのか、それとも単に中国のPMが日本に飛んで来るという、
飛んで来る事は飛んで来るんですけどね。
それが、我々の健康に影響があるっていう事をよく考えずに言ってるのか分かりません。
それから、もう一つはPMが元々黄砂を含んだ測定をしてるので、ややこしいんですけども、
東京などの都市に限定されているというような事があります。
分析すればまた東京の物か、中国の物か分かるのに、それも分析値が発表されておりません。
ここで、正しさを考える上で、最初にこの今問題になってる黄砂とかPMを取り上げたのは、
正しさの初歩的な初歩なんですが、まず正しいかどうかという事を考える時には、
事実が大切だっていう事ですね、勿論。
事実を正確に整理しなければならないって事で、
まず正しさの基本は事実から整理、意見と行くべきで、好き嫌いからスタートして、
意見を作って、事実をこじつけるという事にならないようにって事で、
最初にこれを持ち出しました。
まず、日本の場合のPMというのは、おそらくは黄砂と、
それから人間が出した物が混合していると思われます。
思われるという事自体、おかしいんですね。
きちっと発表されてない。成分表を見ると、私はそう思うっていうぐらいですね。
私が見た成分表では、どうもPMという、いわゆる人間が出した物が1ぐらいに対して、
黄砂が3ぐらいっていう感じですね。それがまず一つです。
もう一つは、黄砂は人間の体に害がないと考えられます。
これが、害があるって事になると、結構これ難しい問題が生じるんですね。
私たちは、空気中の酸素を吸い、窒素を吸っております。
川に行けば水があります。こういったですね、それから風が吹けば土煙が舞い上がります。
土煙は、一応これは大気汚染物質に入っておりません。
何故かと言いますと、人間がもう誕生して、人類が誕生する前からある物は、
自然現象として整理をしますので、自然現象が大気汚染物質って事はないんですね。
大気汚染物質っていう定義は、自然の状態よりか、何か人間的な事で
汚染された場合を言います。
だから、黄砂を一緒に含めて、PMと言ってた場合は、これは非常に問題です。
それから医学的に、黄砂が人間の体に影響があるという事になりますと、
これは全くの全然別の視点ですね。
自然現象の中に、人間に問題のある物があるから、人間は自然の中に生きてはいけない、
ドームの中で生活しなければいけないという事になりますんでね。
これも、そうかもしれませんが、相当程度考えを変えなきゃいけないという事ですね。
一番いけないのは、中国は嫌いだと、だから飛んで来ているPMは中国からに相違ない。
だから中国はいけないと、こういうやつですね。
こういうふうに、物事が逆になりますと、もう何でもかんでも言えるようになってしまいますので、
これはもう正しいという事を考える尤もの基礎の部分に間違いがあるという事になります。


─以上です。

武田邦彦『ガリレオ放談』第51回「黄砂、PM2.5、スギ花粉」正しいとは何か?スペシャル①
これも同様のお話をされてます。

黄砂、PM2.5、放射性物質、これらは別々に考えるべきやない?
中国由来かどうか?
黄砂がどれだけ健康に影響があるか?
黄砂とPM2.5を一括りにしてるかどうか?
武田先生の話やと、黄砂とPM2.5は、水と油の関係。
で、黄砂は確実に日本に飛んでるけど、その黄砂に放射性物質も含まれてる?
検査すれば分かるんやない?
まず、事実を公表してほしい。
PM2.5のみ、どこ由来か?
成分調べたら分かる事をやらん。
少なくとも大阪はちゃんと分析して公表すべき!

※参照
福島の71倍!? 黄砂の放射能
・「黄砂とともに飛来する放射性セシウム(137Cs)
第53回環境放射能調査研究







2 コメント:

匿名 さんのコメント...

『で、黄砂は確実に日本に飛んでるけど、その黄砂に放射性物質も含まれてる?検査すれば分かるんやない?』

国や各都道府県が調べてます

参照先では71倍と殊更取り上げてますが、話を聞けば石川県の3月末限定の話
大量に出ても1平方メートルあたり0.5ベクレルと言った極めて微量な数値です


都道府県別環境放射能水準調査(月間降下物)

(平成25年2月分)(平成25年3月27日発表)

http://radioactivity.nsr.go.jp/ja/contents/7000/6817/24/195_feb_0327_14.pdf

トロにゃん☆ さんのコメント...

月間降下物については、福島由来ですよね?
国や各都道府県が測定してる放射能と黄砂に含まれている放射性物質は
別々に捉えるべきではないでしょうか?

黄砂に含まれている放射性物質(含まれているなら)がどこ由来なのか、
各都道府県で測定しているPM2.5がどこ由来なのか
測定結果を公表しているのをご存知ならリンクお願いします。

私が
『で、黄砂は確実に日本に飛んでるけど、その黄砂に放射性物質も含まれてる?検査すれば分かるんやない?』
と、書いたのは、黄砂は日本に飛んできても
その黄砂に放射性物質が含まれているとしたら、
その放射性物質を調べれば、どこ由来なのか分かるのでは?という意味です。
つまり、仮に放射性物質が含まれているとしても、
地域によって違うのではないかと思っています。
福島由来の放射性物質は未だに存在し、地域によって高濃度なので、
例えば、風や雨などの影響で黄砂と共に福島由来の放射性物質が付着して舞い上がる可能性も
あるのではないかと思ったんです。
だから、検査すれば仮に含まれているとしても、福島なのか中国なのか、両方なのか分かるのではないかと。
PM2.5同様、成分分析をすれば明らかになるはずですが、
少なくとも大阪では未だに公表されていません。