2014-05-22

2014.05.19(月)ぷいぷい『最新号の美味しんぼ』について



2014.05.12(月)『美味しんぼ・大阪瓦礫処理について』の3番組まとめ に
先週の「ちちんぷいぷい」の報道を文字にしてありますが、5/19放映分も文字にしとく。

山本浩之:
先週もこの月曜日にお伝えしました。『美味しんぼ』騒動、編集部の見解は?とあります。

東京電力福島第一原子力発電所の事故による"健康影響の描写が議論を呼んだ"人気漫画『美味しんぼ』

これは連載する「週刊ビッグコミックスピリッツ」の最新号の表紙が向かって右側の
この中に『美味しんぼ』が連載されているんですが、先週の発売号では…

(略)

山本:
そして、今日発売の最新号では、ご覧のようになっております。

漫画の中で、登場人物が
福島の未来は、日本の未来だこれからの日本を考えるのにまず福島が前提になる」
「福島の人たちに、危ない所から逃げる勇気を持ってほしい
と語る場面が描かれ、
そして漫画のあとにですね、10ページの特集記事を組んでおりました。
その中には自治体からの批判、福島県、大阪市などのですね、
批判や有識者13人の賛否両論を掲載した上で、編集部の見解としては、こちらです。

「批判を真摯に受け止め、表現のあり方について今一度見直す」と。
「さまざまな意見が私たちの未来を見定めるための穏当な議論へつながる一助となることを切に願う」
というふうにあります。
ただ、このあと、こちらご覧いただきましょうか。

『美味しんぼ』はですね、以前からの予定通り暫く休載すると。
これ別に今回の問題があったから休載するわけではなくって、
こういう「福島の真実」というタイトルでずっと後編をやっておりまして、今回が、
今週号がそれでお終いだという事だったので、少しまた休んでと、今までにもあったそうなんですね。
予定通り休載するんだそうです。
一方、今回波紋を広げた表現の中には、福島だけでなく大阪に住む人たちの事も描かれていましたね。
さっきも少し触れましたけれども、これさっき出たものと全く同じです。

岐阜環境医学研究所の松井所長の言葉として、
「大阪で受入た瓦礫を処理して、この焼却場の近くに住んでいる1,000人の内800人が
鼻血や眼、喉、皮膚などに不快な症状を訴えた」

太平サブロー:お母さんたちが調査したんですね。

山本:
はい、そうなんですよ、お母さんたちが調査した。
この表現に対して、大阪府と大阪市は極めて不適切と抗議していましたが、
今日の発売号での編集部の見解を受けて、今日ですね、先ほど橋下大阪市長が会見で
コメントしております。その模様をちょっとご覧いただきましょう。

ナレーター:
この問題は、先週号のビッグコミックスピリッツに掲載された『美味しんぼ』に 
実在する研究者名で震災瓦礫を焼却した大阪の焼却場周辺で、1,000人中、およそ800人が
鼻血や眼などに症状を訴えているなどと紹介。
大阪府と市が抗議文を出していたものです。
これに対し、小学館は今日発売の最新号で、抗議文や専門家の見方を掲載した上で

編集部の見解として「多くの方が不快な思いをされた事に責任を痛感している」としました。

VTR

橋下:
もう十分じゃないですか。
あとはもう読者の皆さんでご判断してもらったら良いだけですからねぇ。
主張は主張、作者のね。
しかし、根拠がない主張だったというところでね、
で、我々は根拠があればきちっと対応しますと。


ナレーター:
橋下市長は、行政として表現を制限するつもりはないとし、小学館の対応に一定の理解を示しました。


山本:
これはねぇ、表現はまぁ自由ですからねぇ、
「表現はどんどんしてください。そこに根拠がなかったら、私たちはモノ言いますよ」
っていう事を言ってて、今回の小学館の対応については一定の理解を
一定のっていうか、相当理解をしているような状況ですけれども。
さまざまな議論を巻き起こした漫画『美味しんぼ』、一連の動きについて、
専門家に話を聞いてきました。
関西大学社会学部黒田教授メディア論が専攻です。
この黒田先生の答えですが、こちらです。

まず、作者・雁屋哲氏の表現方法については、どういうふうにご覧になりますかと、聞いたところ
フィクション、創り出す物とノンフィクション、実際にある物、これを混ぜた表現は、
物語に現実味を持たせる意味でも大切ですが、
この『美味しんぼ』自体がまさにそういう漫画ですよねぇ。
大切ですが、言葉のニュアンスや引用するデータの客観性など
もう少し配慮が必要だったと思いますと、いう事を仰いました。


それから、出版している小学館の対応については、いかがですかと聞いたところ、
「漫画の本編の中にも賛否両論入れる事で、中立性を保つ事も必要だったかもしれません」
中立性が必要だと。
影響力の大きい漫画だという事を出版前にもう少し考えるべきだったと思います」


それから、一連の騒動についていかがでしょうかと伺ったところ、
「インターネットの発達により、ニュースに対して人々の感情が爆発するスピードが加速していて
そのため、メディアも一般の人々も物事に急いで白黒をつけてしまいがちです」と。
「原発事故の発生以降、健康被害を訴える人が居るのは事実です。
小学館だけでなく、ほかのメディアも改めてさまざまなデータを検証する必要があると思います」

こういったお答えが返ってきたんです。

サブロー:
正直、国が発表して問題ないですよって、大臣がお魚やお野菜食べてはるニュースを
100流されても、こういう事が一本入ると、せっかく時間掛けて白なった事が、
うっすらグレーっぽく感じるのは事実ですわ。

山本:そうですね。

サブロー:
だから、ここのところの発表の仕方て、ほんと神経尖らさなあかんとこだったのかもしれませんよね。

山本:
あーそうですね。
先週も言ったかもしれませんけれども、全量検査っていうのね、福島県でやってて、
畑で採れたお米や野菜などもやってる
で、安全性が確認された物が流通してると。

サブロー:してます。

山本:
それがまぁ、お墨付け得たもんですから、だからそれはもうきちんと、それは食べれば良いわけです。
私も食べてますけど。

サブロー:
僕ら実際男なんで、スーパーに買いもん行ってね、そんなん見ながら買ってない。
だけど、そんな人間からしてたら、こういう事によって、うっすら白ーくなってたんが、
またなんか色付きそうな気がする。

山本:
それがね、「福島の真実」という、これは後編の部分で今週号で完結したわけですけど、
前編が掲載され始めたのは、去年の夏頃からなんです。
1月ですか、夏からではなくて、えー去年の1月からなんだそうです。
私も少し今見たんですけれども、凄くさすが食をテーマにした漫画だけあって、
きちんと向かい合ってるんですよ、その頃描かれたものって。
それは、正しく福島の現実をまさに知ろうという、そういう意図で始めているんですが、
何故かあの先週お伝えしたようなねぇ、内容のように凄く極端な意見。

サブロー:絵もリアルでしたよねぇ、鼻血を描いていたり。

山本:あれ見せられると、あれ何がほんまなんやろなっていうふうに受取れかねないかなあと思います。

たむらけんじ:何もない何もない安全ですよ、安全ですよ、ばっかり言われるのも怖いのは怖いですよね。

サブロー:ある種ね。

たむら:事実であるんやったら事実やっぱり伝えて欲しいっていう部分は、僕らにはありますよね。

山本:なるほど、なるほど。

たむら:風評被害て一番駄目な事で、それは駄目ですけど。

サブロー:
だからそうやって何の問題もありませんよってお墨付きがあった食品売ってる、
分かってる、けれども、何かちょっとこういった事が知らされると、
これってどやろって思うのが心理やと思います。

山本:
じゃあ、もう一度繰り返しになりますけど、去年ぐらいまでは、こうした報道っていうのは、
各社ニュースの中で結構やってたんです。
だからその今言った全量検査にしても。
ただ、そうですねぇ、去年の秋ぐらいから殆どそういうニュースも見なくなりましたから、
ご存じない方には、本当に安全なのかって、今たむけんが言った通りです。
分からないんだという。
でも、もう一度確認しておきますけれど、全量検査というの、きちんとしてます。
で、その上で、安全性が確認された物は市場に流通されています。
だから、それに乗っかって、これは福島県産のお米です、
それから農産物です、言われた物に関しては食べて大丈夫なんです。
それは基準値よりもはるかに低い物。
自然由来の物ですからね。
そういったものを、そうですね、これを教訓として、小学館だけじゃなくって、
テレビも、それから新聞も、きちっとこの福島の今どうなのかっていう事を取材する必要が
継続的にしなきゃいけないなっていうのは、私はこれを見て感じた事なんですけどねぇ。

井筒和幸:
でも、フィクションをね、あの、でもじゃないか。
だからですけど、フィクションを作る僕らからすればね、やっぱり岐阜の研究所の松井先生とかに、
本当に、本当は取材陣やマスコミが「本当に言いなさったんですか」とか、
そういう事をやっぱりちゃんと、もっかいこう報道…

サブロー:確認して欲しいですね。

井筒:
確認していって欲しいねえ。
だから、この話が、細かい話が全部そのなんかどっか沈んでしまうんですねぇ。
それでまたその言い過ぎだとか、いや表現の自由だとか、そこへ話がねぇ、
持って行くのは良くないと思うなあ。

石田英司:
僕も監督の意見に賛成です。
言論の自由の以前にね、取材のコンセスの問題です、これ。あのー稚拙かどうか…

井筒:
みんなこれ聞き直す事ぐらいは、きょうび、みんなこんな情報社会なんだから、
平気で行けば良いのに、こういう意見出て来ないですねぇ。

山本:
この松井所長にも、今週も先週も取材は求めてます。
それは「ちちんぷいぷい」だけではなくって、全国のメディアが殺到してるんだと思います。
もう少し詳しく言うと、先週の本番までに、松井所長への取材待ちが10番目でした。
だから、回って来ない。

井筒:だから、回って来ないにしろ、どこかの局でも良いですよ。

山本:きちっと知りたいですね。

たむら:井戸川前町長は、この発言を撤回するつもりはないっていう事は言ってはりましたよね。

石田:だから、ご本人の意見やから、それはそれで良いんです、良いんですよ。

山本:
だから、そこは小学館も、それから『美味しんぼ』の雁屋さんも、
別に勝手に井戸川さんの名前を借りて、書いたわけじゃないんですよ。
井戸川さんの、この主張をこういう言葉にしているわけですけど。
ただ、本当に福島県、これ全体を括ってしまってるんですね。
井戸川前町長の言い分としては。
それはやっぱり事実に反するんじゃないかなっていうふうに思いますね。

石田:
意見は意見として、別に言う権利はある。
ただそれに対して、その作品内でちょっとこう、なんか反証じゃないけども、して欲しい気はするんですよね。
言いっぱなしになってるから、これが。

たむら:描くほうばっかりになってしまってるからね。

山本:『美味しんぼ』ほどの食をテーマにする漫画家ね。

サブロー:
荒木田先生の話なんて、福島の故郷に持つ人にしたら、残酷な言葉ですよね。
だから、そこをそのまま載せてしまって良いのか否かいうところは、ちょっと、
もうちょっと待って欲しかった気はしますよ、あの言葉は。

山本:
まっ、井戸川さん、荒木田さんのコメントなんかは、そういうふうに、ねぇ、
感じ取ってしまいますけれどねぇ。
まぁでも、ほんとにあのー何が正しくて、何が違うんだろうっていう事も含めて
福島は、ちょっと騒動もされなくなってしまってるっていうのはね。
私は繰り返しこれ訴え続けたい。

井筒:
今日のニュースでしたかね、早速出てましたけど、18歳以下の甲状腺癌と認められた人数は、
結構増えてますねぇ。
これは一番分かり易いニュースだと思うんですよね。

山本:それもね、だから本当に何によって…

井筒:
まぁでもそれは多分、あのボーンと一斉に1号機、2号機、4号機まで、いったあとのですね、
一番大量にドーンて出た時の多分、影響かも分からないですねぇ。

山本:それがもし…

井筒:
それがどんどん三年間これ出続けてるわけでもないんだけど、
そりゃ漏れ、こぼれて色々出てますでしょう。

山本:
あ、監督、でもそれは公平にいうと、だからといって、その後のその低線量被曝、緩やかな、
これは大丈夫だとも言い切れないですよね。

井筒:言い切れないですよねぇ。だから…

山本:それもしっかりと調べないといけないですね。

サブロー:検証して欲しいですよね。

井筒:そういう事ですよね。

山本:
そうですね。
それから改めて、これ福島の現実っていうのは、日本の現実ですから、
もう私たちが100年、500年、1000年、2000年ずっと住めるようにね、
安心して住めるようになるためには、きちっと取材をして、正しく知らなきゃいけないと。

井筒:
僕はね、もうちょっとね、関西のテレビのほうがね、やれると思うから。
関東のテレビはねぇ、もうね、東京電力や何とかさんの色んな影響があってねえ、
もう福島の今の現状なんてね、なかなか報道しないんですよ、実は。
毎日こんな本当はね、今こういう状態ですよ、こういう状態ですよっていうのをね、
一週間置きにでもねぇ、福島ニュースっていうの、ちゃんとコーナー設けてやって欲しいな、
っていうか、それが一番ねぇ、事だと思うんだ。そこへ…

サブロー:関東やらないん…

井筒:
いや、むしろね、もう見え聞こえしないんですよ。
うーん、だって1号機の中が、2号機の中が、3号機がどうなってるか、
これ誰か知ってますか。
あのメルトダウンしたあとのね。
いや、それがどれほどこぼれてね、それで凍土でこうガツーとなんか囲い作ったら、
地下水がこう流れるだろうとか、だろう、だろうみたいな事ばっかりよう言われても、
ほんとにそんなの、あの水、これ混ざるん違うのっつって。
またそれが海へ流れてんの、流れ出るの、いつの事、いつ止まるのよみたいな事は、
とても不思議なんですよ。

山本:
だから、それは私たち自身もそうだし、子や孫、子孫にもそうだし、
もう全て影響する事でもありますので、やっぱり今一度きちっと報道もしなければいけないなって
いうふうに思いました。


以上です。


ヤマヒロが何度もテレビで訴えてる「福島県産の米や農産物は全量検査している」
「驚くほど数値が低い、自然由来の安全な物しか市場に流出していない」

産地を偽って市場に出回ってたりする事については論外やけど、
基準値そのものに疑問を持ってる人のほうが多いと思うんやけどな?
勿論、放射能なんか全然気にしない、むしろ体にええねん!て人は別にして、
危機感持って食材を選んでる人は、産地だけに拘ってるわけではないと思う。

2012.04.01に設定された新基準値
100Bq/kgが基準になってるから、99Bq/kgの食品もNDの食品も同等になってしまうからなあ。
もし、同じ値段で99Bqと5Bqの食品が並んでたら、どっち買う人が多い?

結局、議論の争点が違えば「正しい情報」として報道されてる事でも、疑問が出るのは当然。
「市場に出回ってるのは安全」ていうのと、「100Bq/kgは安全」ていうのは
切り離して考えんとあかんのんちゃう?
特にヤマヒロは福島の事を思てますアピールしまくってんねんから、
全ての人に100Bqが安全にはならんて事を考えなあかんと思うけどな?
そもそも福島以外の人だけが産地に拘ってると思てるんやろか?

美味しんぼの件でも同じやと思う。
「鼻血が出た(体調変化の)事実」ていうのと「因果関係」とは別に議論が必要やと思うで?
因果関係はない、分からんからいうて、事実まで曲げたら「正しい情報」にはならんやろ。












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