2011-07-19

7月18日 今後開放されることはないセシウム汚染とその対策 小出裕章氏

2011年7月18日(月)MBSラジオ「たね蒔きジャーナル」小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)

DJ:放射性セシウムを含む藁を与えられた福島県の食肉用の牛が全国各地に流通していた。
多くは兵庫県に肉牛が出荷されていた。これは東京に次いで多い。
この事態に、私たちはどう対処すべきか?

小出:私は流通すること自体は反対していない。
福島県で生産される農産物、あるいは酪農製品も私は流通させろと
ずっと言ってきた人間ですので、流通させることはいいことだと思いますけれども、
ただ知らないまま流通されてしまって、子供も含めてそれを食べてしまうという状況を
私は一番嫌います。どれだけの汚染された牛肉がどこに流れているかということを
きちっと知らせながら、これからやって欲しいというのが私の願いです。

DJ:うちの店で出している牛肉は、どうやらセシウムい汚染されているということを
店が開示したときにそれを消費者は買いますか?

小出:買わないでしょうね。

DJ:買わないんじゃないかと思うんですよ。
例えば大人だけの家庭であっても、なかなか手を出す気にならないのではないかと。

小出:はい。多分そうだろうと私は思いますけれども、私は皆さんに知ってほしいのです。
3月11日を境に世界は変わったのです。
私たちがこれから日本という国をどのように作っていきたいかということを考えたときに、
私はやはり一次産業を支えたいと思いますし、
子供には汚染の食品を食べさせたくないと思いますので、
原子力をここまで許してきてしまった大人、放射能の汚染を許した大人が、
どうすべきなのかということをやはり皆さんに考えて欲しいと思うし、
考えるためのまず条件、つまりどれがどれだけ汚れているということを
日本の国と東京電力にきちっと表示させるようにさせたいというのが私の願いです。

DJ:ただ、大人はこれから先ずっとこうした形で汚染された食品を食べ続けて、
大丈夫なんですか? 一時のことではないのではないですか?

小出:大丈夫じゃないです。被曝というのは必ず危険ですから、被曝に関して大丈夫とか、
安全とかいう言葉を使ってはいけません。
ですから私は、大人に食べてくださいと言ってるわけなんですけれども、
大人の人にとっても大丈夫だっていう被曝はありませんし、安全な被曝もありません。
ただ世界が変わってしまった以上それを引き受けるしかないと私は思っています。

DJ:例えば消費者としましては、これぐらいの放射能物質であれば、
まあ健康に大きな被害は出ないだろうと長期的な見通しを科学的に示されたら、
ある程度の安心が得られて、そうした食品にも手を出そうと思うかもしれないと思うんですよ。
そうした長期的な実証といいますか、データというものはあるんですか?

小出:はい。私が信用している長期的なデータというものは勿論あるわけで、
1ミリシーベルトという被曝をしたときに、全年齢の平均でいえば1万人に4人が癌で死ぬと。
ただし、もう50歳を過ぎたような大人であれば、それの100分の1くらいになっていますと。
ですから100万人に4人というぐらいしか死ななくなるわけですから、
そのぐらいの危険はせいぜい引き受けるべきだし、
それが10ミリシーベルトになったところで、10万人に4人ですから、
せめてそのくらいのことを引き受けながら、
これからの日本という国を少しでもマシな国にするというぐらいの責任は、
持って欲しいと私は思います。

DJ:でも今や逆に言いますと、子供に安全な牛肉を食べさせたいと思っても、
どれが安全なのかが分からないというような段階に近づいているんじゃないかと思うんですよ。

小出:そうです。それが一番悪いことなのであって、どの肉がどれだけ汚れている、
どれの野菜がどれだけ汚れているということをきっちりと知らせてもらわない限りは
選択ができないという状態に、私たちは追い込まれているのです。
それをきっちりと知らせるという責任こそが国と東京電力にあると思います。

DJ:福島県の牛が出荷停止になるようなんですが、これは福島県だけの問題ですか?

小出:違います。要するに汚染というのは、連続的にあるわけですね。
ですから、国が決めた1キログラム当たり500ベクレルという基準を超えてる、
勿論牛もあるわけだし、ちょっと下回っている牛もいるわけですけれども、
みんな要するに連続的に汚染があるし、連続的に危険が存在しているのです。
そのどっかの基準を超えたら危険で、その基準を下回っていれば安全なんてものは
勿論元々ないのです。
ですから福島県であろうと、宮城県であろうと、茨城県であろうと、
あるいはちょっと離れたところでもホットスポットというようなところに位置してしまえば、
みんな汚れているわけだし、程度の高い汚染、程度の低い汚染として連続的に繋がっています。

平野:今たまたま牛肉の話になってるんですけど、
例えば3月の事故以降、戸外で放置していた食品って結構あると思うんです。
例えば大根なんかを干してる農家の軒下とか、さまざま考えられるんですけど、
この辺なんかも当然、計測が必要でしょうし、
その出荷時の情報も大事になってくると思うんですけど、
政府とか自治体は、あんまりやってませんよね。

小出:はい、勿論みんなそんなこと見たくもないわけですし、
政府の方はなるべく安全だということを宣伝したいわけですから、
積極的にやらないということを今日まで来てるわけですね。
でも、勿論その乾燥させたような大根にしてもそうですし、
お茶なんてものはものすごい高濃度に、もうどこでも汚れてしまっているわけですね。
それをちゃんと消費者、国民一人一人に分かるように表示させるというシステムを
作るということが、私は一番大切なことだと思います。

平野:また牛に戻りますけど、いわゆる餌で、除染をすることがなんか有効だという、
チェルノブイリの事故で、研究されて、実際にやってるらしいんですけど、
先生その辺お聞きになったことありますか? 顔料とか。

小出:はい、勿論あります。プルシアンブルーというのがありますけれども、
それで防げるというのは、多分僅かだろうと思います。
だから、汚染しているところの藁とかを食べさせないということができるのであれば、
勿論それはそれなりの効果がありますけれども、
いわゆる自然のサイクルの中で酪農なら酪農という、営みをしてきたわけですから、
いきなり全部の藁を捨ててしまえと言われても、なかなかできないだろうし、
捨てたところで放射能がなくなるわけじゃありませんから、
またどこかで汚染が広がるということに繋がってしまいます。

DJ:今回、爆発したときに大量の放射性物質が空中に出て、
それで汚染された藁を餌として食べた牛が問題になってるわけですが、
こうしたセシウムを検出されるような牛肉は、これからは出ないってことですか?

小出:当時3月の中頃から末にかけて、大量の放射能が出てそこらじゅう汚れたわけですね。
勿論、藁も汚れたわけで、藁を食べた牛が今汚れていると。
じゃあ、藁だけが汚れたのかといえばそういうではなくて、
大地そのものが汚れてしまったわけですから、
これからは、その大地で育つ野菜が汚れてくるということになるわけですし、
それを食べる家畜も勿論また汚れてくるということになります。

DJ:セシウムから完全に開放されることは、相当な時期ないんですか?

小出:そうです。これから100年という単位でないわけです。

DJ:濃度の多少はあれ、ずっとセシウムに汚染されたものを
私たちは摂取する以外、もうないんですか?

小出:そうです。
だから日本の国は基準を決めて、基準を超えない限り安全だというふうに
日本の国は思わせようとしてるわけですけれども、そんな事は勿論ないのであって、
基準を下回ったところで危険はずーっとつきまとってくるのです。
ただそれは、私は子供には負わせたくないので、
とにかく汚染の仕分けをして大人が引き受けて、
子供にはなるべく汚染の少ないものを与えるというシステム作りを私はしたいのです。

DJ:例えば、子供のための食品の基準値を新たに設けるというような
アイディアはいかがですか?

小出:基準値というのは多分決められないと思います。基準値を決めてしまうと、
これより上は危険だけど、これより下は安全ということになってしまいますので、
何度も聞いていただいたと思いますけれども、映画で18禁というようなものがあるように、
食べ物に関して、これからは60禁、50禁、40禁、20禁、10禁というふうにですね、
もう仕方がないので、なるべく汚染の少ない物は子供に回るように、
そういうシステムを作るという以外にはないと思います。

以上


相変わらず、小出氏の発言には、?が残る。
原発を許してきた大人に責任を負えて、まいど言うてるけど
その大人も騙されてきたのに?
安全やて言うて騙してきた人間に責任を負えて言うならともかく、
その大切に考えてる子供にも親が居るわけで、その親は大人やん。
100万人に4人なら、ええやろっていうのは、おかしい話やないかな。
大人に選択肢はないんか?
測定値をラベリングすればええんちゃうん。
で、それ見て、このくらいなら、買おう!
いや、このくらいでもやめとこう!
て、各自で選択すればええんちゃうんやろか?

小出氏は、子供のことを一番に考えて、次に一次産業を考えてるようやけど、
なんか違う気がする。
なんか・・・個人の感情ていうか、思想ていうか・・・なんか歪んだものがある気がするなあ。
ネガティブな発言が多いせいかな。
世界は変わった、大人が責任持って食べろ・・・って。
こういう思考やと、日本が明るくはならんと思うけどなあ。

やっぱし、武田先生のように、ポジティブでいかんと!
武田先生は、いかに救おうと努力してる。
どうしたら、ちょっとでも、被曝せんでも済むか、
どうやったら、ちょっとでも精神的に軽くなるか、
子供を大切に考えてるのは、双方同じなんやろけど
武田先生は、受け止める器とか、発信する角度が幅広いような気ぃする。

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