2013-08-03

2013.07.30(火)報道ステーション 『泉田裕彦新潟県知事 生出演』 


このフリップは7/11(木)、PRIMENEWS「泉田新潟県知事に聞く~原発再稼働と東電の対応」に
出演された時にも見ましたが、「伝わるように願い」の気持ちが込められてたんですね。

7/30(火)、泉田知事が報ステに出演されたので文字にしました。(聞き間違い等ご指摘を!)
動画は 生出演 泉田新潟県知事「原発再稼働」へと進む中 へ

古館:新潟の泉田裕彦知事にお越し頂きました。宜しくお願い致します。

泉田裕彦新潟知事:宜しくお願いします。

古館:あのー、長岡でも被害が出まして、この局地豪雨、大変な事ですねぇ。

泉田知事:
いや、ほんとこれ予測が出来ないんで、夜半急にっていう事だったんですけども、
とりあえず災害救助条例で適用するという事にしました。

古舘:
あー、そうですか。大変そういう色々お忙しい中、今日お越し頂いたわけですが、
あのー、テレビをご覧の方の中にはですね、泉田知事が東電に対しても
或いは規制庁に対しても、かなり怒っているという
そういう印象がこのところある方もいらっしゃると思います。
怒っている、まず根源に迫りたいと思うんですが、
新規制基準に纏わる事として、泉田知事が強く仰られてるのは、
えー、構内で火災事故が起きましたね、柏崎刈羽原発。

泉田知事:はい、2007年。

古館:2007年のあのー、中越沖地震ですね。

泉田知事:ええ。

古館:
その教訓を安全審査をするにおいても、大いに活かすべきところを活かされてないという点ですね。
ここを詳しく教えて頂けますか。

泉田知事:
はい。まずですね、怒ってる印象があるっていうのは、
そういうシーンだけ出てるっていうところもあると思うんですけども、
やはり住民の安心、それから安全を蔑ろにしてるっていうところが、やっぱり伝わってくるんですよね。
どういう事かっていうと、今度規制庁で作られた基準は「規制基準」なんです。
「安全基準」ていう名前をやめたんです。
何故かっていうと、一定の確率で事故が起きるという基準だからです。
1万年に一回といってもですね、100基原発があれば、計算上100年に一回。
今、地球上には400基以上の原発ありますから、
25年に一回は事故起きるっていう事になるわけですよ。
で、それをまた第二の安全神話を作って、これは起きませんていう仮定の下でやったら、
起きた時どうするんですかというところが、やっぱり問題なんですよねぇ。
で、実際フィルターベントっていうのが、今申請している電力会社の原発以外の
東電は別の形なんです。福島と同じ形のBWRという…

古舘:沸騰水型ですね。

泉田知事:そうなんです。

古舘:6号機7号機は。

泉田知事:
いう形なんで、これフィルターベントを付けるのが義務なんですよね。
でもそれを、住民の被曝をいかに避けるかっていう観点がなくて、
ただ減れば良いという形で設置されてもですね、
避難計画と整合性が取れなければ、逃げてる途中に被曝しちゃいますよねぇ。
例えば、馬場町長がよく言われてるのは、
線量の低いとこから線量の高い所にですね、移動する途中に被曝してしまったと、
町民を被曝させてしまったと。

古舘:
浪江の方も勿論そうですけども、高い所、線量の高い所、高い所、北西へ、
この風向きと同じ方向へ逃げて行ったという、とんでもないあの悲劇は、
二度と繰り返しちゃいけないですよね。

泉田知事:
で、結局、これもですね、ベントをする時に、東電10回ぐらいベントをしてるんですが、
3回しか告知してないんです。
風向きが違った時にどうするのか、それをどう運用して、そして被曝を避けるのかと、
いう事をやらないと、また同じ悲劇が生まれてしまうという事だと思うんで、
過去に学んで、いかに住民の安全を守るかっていう観点をやはりやらないといかんと。
今の規制委員会の基準ていうのは、どちらかっていうと、
原発の性能基準ばっかりに重きを置いてるんですよね。
だから、それを全体として安全を高めるところをどうしても後回しにされると、
ちゃんと言う事は言わないといかんという事かなと思ってます。

古舘:
安全基準というより、設置基準になってるというご指摘。
もう一度戻りますけども、あのー、避難経路の問題、避難計画の問題、
大変住民の安全にとって重要なんで、後ほどお伺いしたいんですが、
その前に、そのー、起きたですね、中越沖地震の時に、あれはあのー、こう、火災が起きましたね。

泉田知事:はい。

古舘:あれ簡単に説明して頂けますか。今回、何故活かさないかっていう点ですが。

泉田知事:まず火災が起きた原因はですね、これちょっとフリップあるんですけど。

古舘:ご覧下さい。

泉田知事:
ここ地面なんですが、ここにあったんです。
これがですね、ここ1mぐらいなんですが、最大で1.5m沈下しました。

古舘:地盤が沈下した、はい。

泉田知事:
で、トランスがですね、ここから離れてたんですよね、建屋から。
その結果ですね、トランスと建屋を繋ぐパイプが外れて、
そこから出火して、火事になったという経緯があるんです。
今回、フィルターベントのですね、設置も離すんですよね。
そうすると、また外れるんじゃないか、そしたら、生の放射能が出て来ちゃうっていう事になるんで。

古舘:
つまりあれですか、フィルター付ベントをここに設置した。
で、こっちに原子炉建屋があると。
こうなって地震が起きた時、同じ地盤じゃないちょっと離れた所に、このー、ベントのですね、
物を諸々があったとしたら、ワッと地盤がこのように沈下してずれたら、
繋いでいる配管が切れたり、破断して、そっから生の放射能が出て来るって、
そこを何故考えないっていうふうに。

泉田知事:
で、困るわけですね。
2007年の時は、同じような事が起きないように基礎を一体化させますという事で、
トランスを設置して、再稼働っていう事になったんですよね。
今回は、どうしてそれを反映させないのかと、
過去の説明は違ってたんですかっていうようなところも含めて、
ちゃんと見ないといかんという事だと思うんですよね。

古舘:
その部分に対して厳しく指摘されているシーンをきちっとお見せした事によって、
怒ってるなこの人はっていうふうな印象を与えたところがあるというところあると思いますね。

泉田知事:はい、はい、はい。

古舘:
これ、大変今のご指摘は重要なところですね、これはやらないで、このまま行くという事は、
さっきのお話に繋がってきちゃいますねぇー。

泉田知事:
ええ、そういう事ですね。
それからもう一つ大事なところがあるんですけど、どのタイミングでやるのかっていう事なんですが、
この手直しをするかどうかなんですよね。
先に作っちゃったら、あとでこれぐらい放射能を抑えないと、
結局同じぐらい被曝しちゃいますねっていう事になると、二つフィルターベント要るかもしれない。
そうすると、まず地元と避難計画を了解してからですね、申請しないと、
作り直しになっちゃうわけですよねぇ。
ここんところを一体どう考えてるのかっていうところもですね、もう疑問でしょうがないわけです。

古舘:
なるほど。で、そのー避難計画に繋がるんですが、泉田知事はですね、
この規制委員会の委員長宛に、こういう文書もですね、出されてますけど、
このほんの一部をちょっとね、ピックアップしますと、
この「広域避難などの調整」のところですね、
ここでやっぱり、市町村または都道府県の圏域を超える広域避難に備えるために、
避難先、避難ルート、避難手段などの調整や多数の避難者の食糧、物資の調達などについて、
国、自治体がどのように行うのか明確に定めて下さい、って要請されてんですが、
ここに病院、介護施設、色々入れてもですね、どういう方向で、どういう交通手段によって、
どういう方々から、どの方向へ、どのくらい避難させるのか、
これを決めない限りどうしようもないという事ですね。

泉田知事:
ん、あの、そういう事になると思います。
実際、避難訓練をやってみました。400人しか参加しないんです。
新潟県の場合はですね、即時避難区域、5km圏内に2万人以上の方が住んでます。
400人しか参加しなかったんですが、この400人が避難するだけで、渋滞が起きちゃって、
これ、今ベントされちゃったら被曝しちゃうよねっていうような状況が現出したんです。
だから、2万人を一緒に避難なんていう事になると、
これとんでもない状況が出て来るっていう事が、もう火を見るよりも明らかという事ですんで、
じゃあ、そこどうするのかというところを考えて、
次にフィルターベントの性能を考えないといけない。
特に体の弱い人、動かすのか動かさないのか判断を間違ったら、
動かした事によって、亡くなる可能性があるっていうのは、
こないだの福島の事故で、はっきりしてるわけですから、
そこのところをちゃんと対策を立てていくっていう事が必要なんで、
事業者と自治体っていうのが一体となってですね、安全文化、
即ち一定の確率で事故は起きるっていう基準なわけですから、
それに対処する為の仕組みを作らないで、性能基準だけOKですって言われたら、
これはもう住民をちゃんと安全確保するっていう責任、自治体として果たせないもんですから、
そこは、やっぱりちゃんと言わざるを得ないという事だと思います。

古舘:なるほど。恵村さん、ここまでお聞きになっていかがですか。

恵村順一郎:
そうですねぇ、福島の汚染水の問題なんか考えてもですね、
今、東京電力にですね、再稼働をその任せる信頼感ないと思うんですよね。
で、規制委員会もですね、その再稼働の安全基準審査よりもですね、
そのー福島事故を何とかするっていうほうに力を注ぐべきだという意見もあると思うんですけども、
あの、今、知事は、あのー、規制委員に、まぁ何が足りないというふうにお考えでしょうか。

泉田知事:
この規制委員会はですね、事業者行政で、
事業者に全て責任を負わす為に、我々はチェックをしますと、
いうような体系でしかやってないんですが、
例えば、いざっていう時に、福島の4号機の例を出すと、これ原子炉は止まってたんですが、
中にですね、使用済燃料プールがあって、線量が上がってたから作業員入れなかったんですよ。
あれ、たまたま水素爆発したから、あのキリンていうやつで水が入ったんですが、
そうじゃなかったら、入る人、決めとかないと、これ労働基準、労働安全法の違反になりますんで、
ジジイの決死隊で行くぞって、その時になって慌てて誰が行くか検討してるっていう事になると、
対応出来ないじゃないですか。
そうすると、そういうバックヤードの法律もどうするんですかと。
労働安全衛生法で民民で駄目であれば、宣誓をして貰った誰か、
行って貰う部隊を作るのか作らないのかっていう事がないと、
事故が起きた時に対応は出来ない、そういったところの勧告権があるにも拘わらず、
事業者行政しかしていないっていうところが、
住民を守る気があるのかどうかっていうところに、
疑問を感じさせる最大のポイントだと思うんですよね。

恵村:はい。

古舘:
根本の問題が見えて来るんですね。
あのー、今のお話でいうと、ロボットも今の段階では、そう容易い事じゃないのは明白になりましたし、
決死隊何をか言わんや。
線量の高い所にどうやって行くか。
もし、それで今の法律では行けないわけで、駄目だった時には、ただ座してメルトダウンかっていう、
ここも仰ってますね。

泉田知事:
そういう事なんです。結局、誰かが、
あの、因みにアメリカの場合どうなってるかっていうと、軍が行くんです。
で、いざっていう時は命を懸けて。
実際、福島の事故の時もアメリカから言われたのは、
英雄的犠牲が必要というような話ありましたよねぇ。
で、誰かが行って止めて来るという事をやるという体系がやっぱりないと、
対応出来ないんだと思うんですよね。
で、因みにロシア、石棺作業に携わった方、死刑囚が入ってるという事なんですが、
釈放を条件に司法取引をして、石棺作業携わったという事ですけど、
日本でそんな事、出来るんですかという事も含めて、
法律の体系、どう作るかっていう事を考えないと、
また事故が起きた時に、起きる前提の基準ですから、
どうするのかというと同じ事になりはしませんかと、
また放射能大量にばら撒いたら、これ大変な事ですから、
そうならないような事を規制委員会に、しっかり考えて頂きたいと思ってます。

古舘:
あの、再三そういう要請をされてるのを目の当たりにするんですが、
今日、因みにですね、あのー、国のエネルギー政策にも大変力をお持ちの甘利大臣と会って、
話をされたけれども、まっ、結果はすれ違いだっていうような感じになってる。
なかなか噛み合わなかったんですか。

泉田知事:あっ、問題意識はですね、聞いて頂きました。

古舘:はい。

泉田知事:
で、ずっと説明をしていて、最後順番の話になったところで、秘書官来られてですね、
「大臣閣議、閣議」っていう事で、話し合いがこう、マッチする前に、
時間切れで終わったという感じでしたね。

古舘:あー、そういう事ですかー。

泉田知事:
ええ。それからもう一つ、甘利大臣から話があったのは、
甘利大臣自身は、2007年の対応もしているんです、柏崎刈羽の。
で、私の言う事はご理解頂いたかなというふうに、私は受け止めてるんですが、
これをですね、一定の影響力を行使出来るにしてもですね、
担当大臣じゃないという事ですんで、
やはり、責任、権限のある方、田中委員長だと思うんですけども、
こういったところと、しっかりやらないとしょうがないのかなあと。
で、権限のあるところには、説明責任が付いてくるんですが、
残念ながら田中委員長はですね、
知事が聞いたからといって、いちいち説明する義務はない
っていう事を記者会見で言われてるんで、
そうすると、住民は一体何を信じて良いのかという事になるんだと思うんですよねぇ。

古舘:
大変深刻な問題、大事な問題を孕んでると思います。
えー、泉田知事は、こういう流れで来てますと、再稼働というもの、原発の再稼働はもう反対ですか。

泉田知事:
あっ、これはですね、まず福島の検証が先だと思ってます。
そもそも人が扱えるもんかどうなのかと。
放射能っていうのは、事故が起きたらばら撒いてしまうものなのかどうか。
こういったところをまず検証する事が先と、議論はそれからではないでしょうか。

古舘:
再稼働、とにかく反対というよりも、福島が何も収束してないどころか、
今、こんな汚染水にしても何にしても、こんな状況下にある中で、
拙速に過ぎないかという、お考え方で。

泉田知事:
福島の方はですね、新潟にもまだ5,000人避難されて来てるんですけど、
生活再建も出来ないような状況になってます。
公共事業だったら、再取得価格で補償して貰えるのに、そういった事もなしにですね、
もう二束三文で、賠償で、自分の人生パーにするっていうような感じを見せられてるわけですよね。
だから、こんな悲劇を次から次へ繰り返すような事は、やっぱりあってはならない。
福島の事故って、本当に放射能をこんなにばら撒く必要あったのかどうかと、
これは、福島の事故は、実は津波事故でもなければ、電源喪失事故でもないんですよ。
この本質は、冷却材喪失事故なんです。
それに対処出来るのかどうか、世界はどうしてるのかっていう事を含めて、
それから議論という事なんじゃないでしょうか。

古舘:
なるほど。今度また時間を作りますので、知事、是非ですね、流れを見た上で、
柏崎刈羽の方々の雇用の問題とセットになってると思いますんで、このー、原発の問題はね。
そこら辺りの腹案といいますか、さまざまな事を模索されてると思いますんで、
是非また、伺わさせて下さい。

泉田知事:はい、はい。

古舘:今日はどうも有難うございました。

泉田知事:どうも有難うございました。


以上です。

甘利大臣と平行線とか報道されてたけど、
泉田知事が何を懸念してるかについては伝わったみたいで、
事前了解の順番については、時間切れやったて事ですね。

田中委員長は、知事と会う事を拒否してるけど、説明責任があるのは当然の事で、
もし会談する時があれば公開でして欲しいですね。

大阪にも泉田知事のような知事が欲しい!


※参照
2013.07.05(金)『泉田裕彦新潟県知事と廣瀬直己東電社長の面談』


2013.07.29(月)
新潟県の要望に対する原子力規制委員会からの回答

2013.07.30(火)
甘利大臣との面談に関する知事コメント


2013.07.25(木) 泉田知事定例記者会見
「廣瀬社長との会談を前にした水面下での事務レベルの折衝の進捗具合について」
動画 11:15~   要旨

2013.07.31(水) 泉田知事定例記者会見
「原子力規制委員会の田中委員長について」
動画 12:55~   要旨


◆泉田知事へのご意見等は「知事へのたより」へ




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