2013.11.04(月)に放送されたTBSラジオ「荒川強啓デイ・キャッチ!」
『新潟県・泉田裕彦知事に原発問題を訊く!』を文字にしました(聞き間違い等ご指摘願います)
音声は、TBSラジオ視聴、または直リンクへ
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デイ・キャッチ 「新潟県・泉田裕彦知事に原発問題を訊く!」
泉田新潟県知事のお話(11月4日)
荒川強啓さん:
TBSラジオ「デイ・キャッチ」引き続き、経済ジャーナリスト・町田徹さんと共にお送りして参りますが、
さて、ここからは今日のスペシャルゲストにお入り頂きまして、お話を伺って参ります。
新潟県・泉田裕彦知事、スタジオに直接お越し頂きました。
知事、お忙しいところ有難うございます。
泉田裕彦知事:どうも、こんにちは。
荒川さん:こんにちは。宜しくお願い致します。
泉田知事:宜しくお願いします。
町田 徹氏:宜しくお願い致します。
片桐千晶さん:宜しくお願い致します。
荒川さん:お出掛けになる時に、そちら新潟のほうはお天気いかがでございました?
泉田知事:
ええ、今の季節、特段問題っていう事ではありませんので。
一回パスさして貰いまして大変恐縮でございました。
荒川さん:
(笑)いや、その一回パスというのは、以前にもご出演お願いしたんですけれども、
ご多忙という事と、それからちょっとあの気象の…
町田氏:台風の時でね。
泉田知事:だったんです。
荒川さん:動けなくなりましてね。列車が、あのー新幹線が、動かなかったという事もありまして。
町田氏:災害対策本部長ですよねぇ、あの時ねぇ。
泉田知事:ええ。という事なんで、動いてたんですけども、ちょっと災害対策の優先させて頂いて…
荒川さん:そら、当然ですよ。
泉田知事:申し訳ございません。
荒川さん:とんでもございません。
片桐さん:宜しくお願い致します。
荒川さん:さっ、それでは泉田知事のプロフィールからご紹介させて頂きます。
片桐さん:
1962年、新潟県加茂市生まれの51歳。
京都大学を卒業後、当時の通商産業省に入省。
資源エネルギー庁などへの出向を経て、通産大臣官房秘書課長補佐を務められました。
2004年、当時全国最年少の42歳という若さで新潟県知事に。
しかし、知事に就任する前日の10月23日、新潟県中越地震が発生。
震災対応や被災地の復旧・復興の陣頭指揮を執られました。
また、2007年に発生した中越沖地震でも同様に、指揮を執られています。
荒川さん:
はい、そして最近では、新潟県柏崎刈羽原発の再稼働を巡る動きの中で、
泉田知事、全国から注目を集めているという状況です。
片桐さん:
はい。
泉田知事は、9月26日、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働に向けた安全審査の申請を
条件付きで認めると発表しました。
最近では、原子力規制委員会の田中委員長が東京電力の廣瀬社長と面会した事を批判。
「規制委員会の重大な方針転換だ」と発言されました。
日本の原発政策の行方を占う意味でも、まさに泉田知事に日本中から注目が集まっています。
荒川さん:
はい、えー、では早速お話を伺って参りたいと思うんですが、
町田さんも宜しくお願い致します。
町田氏:はい、宜しくお願いします。
荒川さん:
まず、知事ね、東京電力による柏崎刈羽原発の安全審査の申請なんですけれども、
条件付きで認めるという一報が入った時に、「あれっ、知事、気持ち変えたの?」っていう
思いがしたんですが、改めて伺います。その辺りは?
泉田知事:
ええ、はい。まずですね、安全審査じゃないんです、これ。
規制基準適合申請なんです。
どういう事かっていうと、今までは安全基準で、敷地境界で一定レベルの放射線量にならないように、
基準で抑えてたんで、まぁ安全基準って呼んで良かったんでしょうけど、
今度の規制基準は、その制限が撤廃されてるんで、健康に影響のある被曝をし得る基準が
今回の規制基準適合審査なんですよ。
だから、今回の基準にクリアしても、安全になるってわけじゃありませんので、
安全審査っていう事がそもそも言葉として間違いと、いう事なんです。
で、一方でですね、これ安全審査、安全審査って言われるんで、何が起きてるかっていうと、
地元の住民からしてみれば、
東京電力が、こういう事言ってたんです。
「我々、独善になるといけない」という事なんで、「第三者の目を入れて審査をして欲しい」と。
即ち、安全性を自分で十分確認する自信がないんで、
第三者に見て欲しいんですよ~っていう事を、そういう主旨の発言をずっとされてたんですよ。
そうすると住民からしてみれば、
「そりゃやっぱり、東電だけじゃなくって、
第三者の目を入れてチェックして貰ったほうが良いよね」と。
「泉田は、その安全審査もさせないのか」という話になるんで、
結局、住民のより安全を確保するっていう観点で、東電の目だけではなくって、
第三者の目も入れるという事で、今回了解をしたという事です。
但し、冒頭申し上げた通り、これ安全基準じゃありませんから。
あくまでも規制基準適合審査、通っても健康に影響ある被曝をし得るっていう数字が、
これ、出得るものですんで、それと再稼働の話は関係ないという事で、
より安全性を確保する為に、了解したっていう事です。
荒川さん:あれーー
町田氏:
そもそもだから、安全基準って言ってますけど、それさえ通れば再稼働出来るみたいな…
荒川さん:そう思いました。
町田氏:そういう流れになってる事がおかしいよねって事を仰ってるわけですよね、そもそもね。
泉田知事:そうなんです。そこをね…
荒川さん:全然違いますねぇ。
泉田知事:
これね、何度言っても、どうしてもねぇ、皆さん安全基準って言っちゃうんですよ。
これ、規制基準適合審査ですから、あくまでも。
それで、この規制基準適合審査に通ると、どうなるかっていうと、
原子力規制委員会が役割を果たしたって事になるわけです。
その後、健康に影響のある被曝が生じても、
「俺たち、規制基準はちゃんと適合したの見ただけだから」と。
再稼働は、今度政府って事になってんでしょう。
でもこれ、必ずしも安全じゃないわけですから、あとはどうするんですかと、
リスクは地元が取ったわけですよねっていう、それはねぇ、違うでしょと。
だから、ちゃんとした規制基準、安全を確保して下さいって事をずっと言ってるわけです。
荒川さん:
という事は、知事としての、お立場は全然ブレてない、
変わってはいないっていう事なんですか。
泉田知事:変わってないんです。
荒川さん:
町田さん、なんで僕らんところにゃ、この理解度が足りないっていう事もあるんでしょうけれども、
何か、ちゃんと…
町田氏:いやだから、言葉のマジックがね、
荒川さん:ありますよね。
町田氏:
国は、やっぱり相当色んなマジックをここで使ってますよね。
で、その言葉のマジックに騙されちゃいけないから、
だから、その普通の人から見てると、知事の言ってる事は、国に逆らってるように見えるんだけど、
単に逆らってるわけじゃなくて、「それじゃあ、困りますよ」って、
言わなきゃいけない事があるわけですよね、ここはね、泉田さん。
泉田知事:
そういう事なんです、そういう事なんです。
やはりね、一番重要なのは、どうやって安全確保するかっていうところが重要で、
これがですね、今、福島原発の事故原因の検証と総括が終わってないんですよ。
だから、国際基準は、福島原発の事故の検証と総括を踏まえた基準が出来てないわけです。
荒川さん:あー、はい。
泉田知事:
で、何故それが安全っていう事になるんでしょうかと。
やっぱり事故原因をしっかり調べて、こういう対策を打ちましたって、なければ、
同じ事を起こしちゃうじゃないかと。
だからまず先に、福島の検証と総括やって下さいっていう事をお願いしてるわけですよ。
町田氏:
そこでもだから、そのベントの議論がよくあるんだけど、
ベントだって福島の事故の時ってのは、とんでもない事があったわけですよね。
知事から見てると、この、ああいうやり方、二度とやらされないって問題があったんでしょ。
泉田知事:
まず、ベントの話をするとですね、福島で最も放射能ばら撒いたのは、2号機なんです。
で、2号機は、格納容器が壊れちゃったんですよね、圧力が高まって。
なんで壊れたのかと、いうところ、これがまだ検証終わってないんです。
荒川さん:そうですね。メルトダウンしてるかどうかすら確認出来てないんですもんね。
泉田知事:
いや、メルトダウンしてるんです。
それはもう、確認出来てるし、東電も認めました。
荒川さん:いやいや、あの、中までこれ、入れないわけでしょ?
泉田知事:入れなくても、メルトダウンしてるんです。
荒川さん:それはもう、もう事実として認めた。
泉田知事:
何故かっていうと、3月11日の夕方に、亡くなられた吉田所長は、
その日の内に、もう消防注水の検討指示を出してるんです。
で、5時の段階、夕方の、当日の段階でですね、もう進展予測がなされていて、
あと数時間後でメルトダウン始まるってのは、知ってました。
二カ月、黙ってたのは、これ単に情報操作しただけであって、
メルトダウンっていうのは分かってたんですよ。
何故かっていうと、燃料棒の中のペレットの中にしかない物質が建屋の外で検出されてるんですよ。
荒川さん:ああ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。
泉田知事:という事は、もう溶け出してるっていう事です。
荒川さん:あ、そういう事ですねぇ。
泉田知事:
それどころか、メルトスルーが起きてるわけです。
原子炉から溶け落ちて、格納容器にまで達してるっていう…
荒川さん:はい、下のね。
泉田知事:
そう、そこまで分かってるわけです。
したがって、メルトダウンしてるかどうか分からないなんて事じゃなくて、
もうメルトダウンは確実、メルトスルーも確実。
で、問題は、誰がどういう背景で、二カ月も嘘を吐いたんですかと。
情報操作したんですかと。
メルトダウンを当日、翌日、これあの、中村幸一郎審議官も記者会見で認めてるんですが、
あんまり報道されなかったんで、伝わらなかったんですけども、
それがちゃんと広く伝わっていれば、もっと早く避難して余分な放射能、
浴びずに済んだ人がいっぱい居るわけですよ。
更にいうと、甲状腺癌起こすっていわれてるのがヨウ素131なんですが、
これ、半減期が八日なんです。
半減期が八日っていう事は、一カ月で16分の1になるんです。
即ち、16分の15、大部分は最初の一カ月で勝負が付くんですよ
で、ここのヨウ素の被曝を避ける為には、メルトダウンしてますよと、メルトスルーもしてます。
ちゃんと避難しなければいけないっていう行動を取れたかどうかっていうとこに影響があるわけで、
その情報の出し方も含めて、ちゃんと検証をして、そもそもハードだけじゃなくって、
ソフトウェアとか、法律とか、薬事法の規定、大丈夫かと。
町によっては、ヨウ素剤配ったのに、政府から回収命令受けてますからね。
荒川さん:うん、うん、うん、うん。
泉田知事:
メルトダウン分かってて。だから、それは大丈夫かっていうの検証要るでしょっていう事なんです。
荒川さん:はい、はい、はい。
町田氏:
相当専門的なところをね、きちっと抑えて政策考えて下さってるの、よく分かるんだけど、
こういう事言って下さる知事が泉田さんしか居ないじゃないですか、全国に。
泉田知事:知事は。
町田氏:色んなところに原発あるのに、知事の中で泉田さんだけですよね。
荒川さん:
なんかあのー、こういう言い方、失礼かと思いますが、
国に盾突いているのは、泉田知事一人っていう感じがしますよね。
町田氏:
だけど、何故これ、泉田さんだけがこうなのかっていうのをリスナーの人、知りたいと思うんだけど、
何が泉田さんをそうさせたんですかね。
泉田知事:
一つはですね、2007年の中越沖地震の時なんですけど、
柏崎刈羽原子力発電所が火災事故起こしたの、覚えてられますかねぇ。
町田氏:起こしました、起こしました。
泉田知事:
ええ。この時ですね、なんで火事になったかっていうと、地震が来て、配管が外れて、
そこから油が漏れて、線がショートしてですね、火事になったんですよ。
消防隊、居たんですけども、消火栓も一緒に配管が壊れて、水か出なくなって、
で、職員が撤退したっていう事が起きてるんです。
その時、サイトと連絡が取れなかったんですよ。
町田氏:電話が繋がんなくちゃったんですね。
泉田知事:
電話が繋がらなかったんです。
で、ホットラインあるにも拘わらず、電話繋がらないんで、私東電の本店通じて話してたんですけど、
それ、困るじゃないかと、これはね、かなり頑張りました。
結果として、作ってくれたのが免震重要棟。
あの免震重要棟、義務じゃないんですよ。
荒川さん:あー。
泉田知事:
柏崎の地震の時に、ホットラインが繋がらなかった原因は、建物が揺れて、
ドアが歪んで開かなかったんで、ホットラインのとこ辿り着けなかったって話だったんです。
荒川さん:そういう事なんだぁ。
泉田知事:それは困るだろうという事で…
町田氏:
何が起きてるから、もう、どう対応しろの指示も何も出来ない状態になっちゃったわけですよね。
泉田知事:
だから、このホットラインを維持する為に、
ちゃんとやってよって言って、作ってくれたのが免震重要棟で、
で、同じ東京電力の施設で、柏崎刈羽だけに免震重要棟あるの、変だよねといって、
福島第一にも作ったんですよ。
完成したのが、八カ月前。
荒川さん:いやぁ、あれで救われましたもんねぇ。
泉田知事:
だから、ちゃんと言わなかったら、今東京、人が住めなかったんじゃないかと思ってるわけで、
そういう経験してるから、ここが問題だっていうの分かってるのに、
黙ってたら、歴史に対する犯罪じゃないかと思うわけですよ。
町田氏:
つまり、中越と中越沖の、あの二つの大きな地震が原発に何起こすかっていう
貴重な教訓を持ってる唯一の知事だったって事ですよね。
荒川さん:そういう事なんだぁ。
泉田知事:
で、因みに地震が出ると、避難出来なくなっちゃうんです。
道が渋滞して、そもそも緊急自動車、消防車とか救急車が辿り着けなくなるんですよ。
で、県都から、新潟市からね、物資を送ろうと思っても辿り着かない。
つまり、全く車が動かない中で、ベントをして、
それも健康に影響のあるような物が流れて来たら、被曝しちゃうでしょ。
荒川さん:うーん。
泉田知事:
今でも福島のお子さんは、一般的に言われている被曝に比べて、40倍とか50倍とか、
ひょっとしたら100倍ぐらい甲状腺癌になるって言われてるんですけど、
そういう影響が出てるわけですから、これ専門家に聞いてます、我々も。
最初は、福島原発の影響っていう事は、判断出来ない、だったんですが、
今は、福島原発の事故の影響を否定出来ないっていう言い方に変わってきてますんで、
これもう少し時間を持って、検証しないといけないんですけども、
いかに健康を守るかっていう事は、やっぱり重要で、
その為の安全対策は、少なくてもちゃんとやって欲しいという事です。
町田氏:
そこで、最初の規制基準なんか全然駄目で、実はそういう避難のルールも
避難の準備も訓練も何もやってないのに、その原子力規制委員会が作ってる耐震の為の、
揺れに対する対策が、ある程度強くなったぐらいで、
県民の安全は守れないっていう話に入っていくわけですよね。
泉田知事:
そうなんです。
とにかく、今回の基準、規制委員会、ちゃんとやってるのかっていうと、
班は二種類しかなくて、断層をね、調べる班と、
それから設備を調べる班しかないんですよ。
でも、ヒューマンファクターもあるでしょ。
例えばスペースシャトル、これは宇宙開発も原発とよく似たところがあって、
巨大な組織が関わって、大勢の人と、複雑な最先端技術が入ってるっていう意味で
一緒じゃないですか。
荒川さん:うん、うん、うん。
泉田知事:でも、チャレンジャー号の爆発、それからコロンビア号の空中分解事故ってあったでしょ。
荒川さん:ありましたねぇ。はい、はい、はい。
泉田知事:
この時は、実はチャレンジャー号は、Oリングですね、ブースターの。
これが、温度が低い中で打ち上げようとして、上手く機能しないで、そっから火が漏れて、
それでメインタンクに爆発したっていう原因調べたわけですよ。
更に、それ、WARNINGが出てたんです。
ひょっとしたら、こんな低い所で上げちゃあいけない。
そのWARNINGをヒューマン系で受信、上手く出来なくって、判断、
フライトコマンダーに届かなかったんですよ。
だから、組織も変えて、ルールも変えて、それから長官も交代してるんですよね。
そういった中で、初めてスペースシャトルの打ち上げ、どうしましょうかと。
原因を検証して、対策を打って、その上で大統領が未来に向かって、
もう一度、国民で団結して行こうっていう、コンセンサスを得て、
それでもう一回やりましょうって話になったわけでしょう。
荒川さん:あー。
泉田知事:でも、原発は、原因も調べない。対策も、だから原因しら…
片桐さん:原因が分からないと取りようがないですねぇ。
泉田知事:対策取りようがないでしょ。
片桐さん:ええ。
泉田知事:
それで、安全だって事にして、あの、一億、全部悪かったんです、
じゃあ、もう一回やりましょうって、これ駄目でしょ。
荒川さん:う~ん。
泉田知事:
だから、ちゃんとやっぱり、原因と対策を打って、
それで、組織とか法律、規則ですよね、こういったものも見直した上で、
それで、どうしますかって問うのが順番じゃないかと思うんですよ。
荒川さん:そうかぁ、町田さん。
町田氏:緻密でしょ。
荒川さん:
うん、あのー、ベントの問題をクリアすればOKだーみたいな、
もうそう、そういうものが、もうボーンと入って来ただけかと思っていたんですが、
とんでもないですね。
町田氏:
いや、だから、規制基準だと、免震重要棟もまだ義務になってなくて、義務っていうか、
その何年間かの内にやれば良いみたいなね、事になってて、
また直ぐ出来てなくても再稼働出来るんですよね。
(CM)
荒川さん:
本日は、新潟県の泉田裕彦知事にスタジオに直接お越し頂きまして、
原発問題、特に柏崎刈羽原発、この問題に向き合っている泉田知事、
さまざまな角度からお話を伺って参ります。
知事、改めてお伺いしますが、
東京電力のここまでの対応なんですが、どうご覧なってますか。
そして、何が拙いとお考えですか。
泉田知事:まずですね、情報操作したっていう事でしょうね。
荒川さん:情報操作。
泉田知事:
ええ。
先ほど申し上げた通り、初日っからメルトダウンは生じてたっていうの分かってたわけです。
荒川さん:あっ、福島の問題ですね。
泉田知事:
そうです、そうです。
で、分かっていたものを隠したわけでしょ。
誰がどういう背景で隠したかっていう事を検証して、対策取らないと、
いくら機械良くしても、人が扱うもんですから、また同じ事が起きたりするんじゃないかと。
こういう懸念は消えないわけですから、やっぱりこれヒューマン系ですよね。
人、人間系、指揮命令系統も含めて、何があったのかっていう事は、
やっぱり、ちゃんとですね、検証して対策取るべきだろうと、いう事だと思います。
それからですね、やっぱりお金がね、前に出てるんじゃないかっていう疑念は消えないですよね。
一つ例を申し上げると、汚染水の話、出てるじゃないですか。
チェルノブイリの、旧ソ連の原発事故の時ですね、
汚染水対応って、初期の急速対応が必要な時期、終わった直ぐあとぐらい、
二週間ぐらい後からですね、もう汚染水対策やってるんですよ。
で、ヴォルガ川に流れて、地下水汚染したら大変だっていうんで、
とにかく汚染水対策やらなきゃいかんていうのは、もう最初っから分かってたわけで、
で、あの東京電力の現場も遮水壁を作って水止めましょうよという話、
案まで出来てたわけですよね。
でも、それがお金が原因で、やめましょうっていう事になってるわけです。
で、お金が原因でっていうのは、実は9,600億円ぐらい引当金で積んでたんです、東電は。
だから、1,000億ぐらいの遮水壁って、当然そん中でやれば良いじゃないかと、
思うんですけども、それ以外に賠償とか、それから、
結局、電気料金で返していくっていう事になるから、賠償の為の事務費だとか、
それから廃炉の作業だとか、色んな事を考えると、使いたくなかったんですかねぇ。
荒川さん:使いたく
泉田知事:
9,600億、引当金で積んでるにも拘わらず、1,000億をケチったわけですよ。
で、結果として更に大きなね、影響が出て、日本の信用に傷がついて、
更にですね、おっきな費用と、手間と時間と掛かるって事になってるわけですよ。
先にやっとけば良いものを。
だから、お金をですね、前提に、物事を考えていくと、安全が疎かになるんじゃないかと。
この順番が、やっぱりおかしいと。
で、それを起こしているのが今の制度ですよね。
東京電力が全部ですね、賠償する事になってるんです、最終的には。
これ、霞ヶ関的にいうと、経済産業省と財務省の争いになっていて、
まぁ、私もまだ同期居るんですけど、
一回、同期会行ったらですね、みんなシュンとしてたんです、事故のあと。
「霞ヶ関の中で、ハミゴです」と、今。
「お前らのおかげでね、事故が起きて大変な事になった挙げ句に、
国家公務員給料まで下がってしまったじゃないか」という感覚があるわけですよ。
そうすると、一般の税金を使って、財務省が穴埋めするっていう事じゃなくて、
経産省の枠内でやれ、みたいな話になるじゃないですか。
で、そうすると、各電力会社からお金を集めて来て、
それで電気料金に転嫁するみたいな話になるわけです。
そうすると、それは全部東電の負担になるから、
お金をいかに使わないかっていう事になるでしょ。
だから、そこには、財務省は税金守りたいわけですよね、一般の財源として。
で、これ事故を起こした責任の、ある経産省のリソースの中でやれっていう事になると、
今みたいな仕組みになっちゃうわけですよ。
片桐さん:どうしても、お金を使いたくないっていうほうに気持ちが動いちゃう。
泉田知事:
そう、そう、そう。
だから、ベントの施設もですね、3.11の前は県とやり取りをして、
こういう安全対策やりましょうよって話になれば、
そら東京電力ちゃんと対応してくれてた、現場もちゃんとやってたっていうふうに思ってますけど、
311以降って、言ってもやらないすもんね。
荒川さん:はぁー。
泉田知事:
第二ベント、これちょっと話が専門的になるんで飛ばしますけど、
安全対策やってくれっていうのを、ずっと言ってたのを結局やって貰えなくって、
廣瀬社長と二回目の会談の前に、ようやく「やります」っていう話になったんで、
一歩前進だっていう評価したとこあるんですが、それにしてもなかなかやってくんないんですよ。
やっぱり、背景にお金の問題があるんで、
今のスキームは見直さないと駄目なんじゃないかと思うんですよねぇ。
荒川さん:あの廣瀬…
町田氏:
原子力規制委員会の田中委員長がね、廣瀬社長と会談したりするようになってんだけど、
ああいうのは、その、今起きてるそういう問題をね、解決するのに役立つ会談になるんですかね。
泉田知事:
むしろ、よくご存知かもしれませんけど、現場の状況を全部社長が考えるって難しいですよねぇ。
で、やっぱり今、東京電力の社長、何考えないといけないかっていうと、
賠償考えないといけないでしょ。
廃炉を考えないといけないでしょ。
で、それから安全も考えないと。発送電。
それから、どうやって借金しようかって考えてるわけで、
そうすると、頭の中に作業員がどういうふうに言ってますかと、
汚染水処理どうなってますかって、社長に聞いたって、限界ありますよね。
だから、本当は安全対策をやる人は、安全対策で、
ちゃんと頭の中でね、8~9割は安全対策考えてる、考えられるっていう体制を作らないと、
やっぱりいけないんじゃないかと。
お金をどうやって払おうか、どうやって借金しようかっていう事を一生懸命考えてる人に
安全対策考えろって言っても、なかなか難しいんじゃないのかと。
荒川さん:
町田さん、なんか、知事のお話を伺っていると、この先もなんかこう、対策がこう、
スピーディーに進むような気がしないんですが。
町田氏:
いや、でも、今みたいなお話をみんなが共有してね、
政府に考えて貰うほうに持って行かないと、全く何も進まないですから、
これは知事みたいな、今のお話みたいなのを伺うのは一歩ですよね。まずね。
で、更に私伺いたいのは、そのお金の話で、なんとしてもその柏崎刈羽を再稼働したいんだと、
しないと保たないんだっていう議論、東京電力の中であるわけですね。
だけど、一方でその、福島の第一原発の事故処理には、
再開したい柏崎刈羽からは、たった20人しか人を割かないとかね。
その要するに、起こしてる事故の収束をちゃんと一生懸命やってないところが
次に柏崎刈羽開けたいっていうのは、信用して開けて良いよって言えるようなもんになりますかねぇ。
泉田知事:
ん、だから、これやっぱり、福島の事故の検証と総括が先なんだと思います。
設備だけ見てもしょうがないでしょ。
原子力規制委員会、先ほども言いましたが、設備を審査する班と、
それから断層を審査する班と、二種類しかないわけですよね。
でも、結局人が扱う物なんだから、それも法律に基づいて扱う物なのに、
そこをチェックしないで、安全ですって言われても、なるほどっ、ならないわけですよね。
元々、安全じゃなくって、これ原子力規制委員会は、
あくまでも規制基準適合審査っていう形でしかやってません。
規制基準適合したって、健康に影響を受け得る被曝は、し得るっていう基準でしかないわけですから、
やっぱり安全っていうものをどう考えるか。
例えば、ヨーロッパとアメリカは色々対策取ってるわけです。
メルトダウン事故は起きるっていう前提で、ヨーロッパの原子炉は設計されてるんです。
どういう事かっていうと、メルトダウン起きるでしょ、
そうすると、コアキャッチャーっていうのがあるんですよ。
こないだ日本がトルコに売りに行った原発、あれはね、コアキャッチャー付いてるんです、
フランスのアレバが入ってるから。
で、そうすると、溶け落ちても、その中で受ける事が出来るんです。
イメージでいうと…
荒川さん:下まで行かないうちに…
泉田知事:そう、そう、そう、そう。
荒川さん:支えられるわけですね。
片桐さん:止めてくれる…
泉田知事:
夏、線香花火やりますよね。
日本の原発は、足の上で線香花火やってるようなもんで、落ちると火傷するんですよ。
ところが、フランス、ヨーロッパ型の原発の、まぁ最新型のやつは、
バケツの上で線香花火やってるもんだから、落ちてもジュッと行くんです。
荒川さん:分かり易い。
泉田知事:
だから、そういうもんなんで、
例えばアメリカだったら、直ぐ水が掛けられるように準備してるとか、
これは実力部隊を配置していて、サイトの中に物資も届けられるし、
いざっていう時に、サインして、線量の高い所にも行く人って居るんですよ。
日本はそういう事、全然考えてないから、
またね、第二の安全神話作ろうとしてるっていう感じがして、
いざっていう時ね、ジジイの決死隊で行くぞと言って、また慌てて考えるんですかねぇと。
世界の標準は、メルトダウン事故は起きるっていう前提でやってますよと。
日本は安全だっていうのは、第二の安全神話を作る事に外ならないんで、
原発ってのは、メルトダウン事故起こし得るもんだっていう前提で、
やっぱり議論してかないといけないんじゃないかな。
荒川さん:
そうすると、泉田知事、あのー、福島第一原発の、ああいったような事故があっても、
さあ、これを機会に安全っていうのは何かっていう総点検しようという動きには、
変わっていないという印象ですか。
泉田知事:
あ、なってないんです。だから、なーんでそうなってるかっていうと、
臑に傷のある人たちが居るからじゃないですかね。
荒川さん:臑に傷を持つ人。
泉田知事:
つまり、判断を誤った、情報操作した人たちって居るわけでしょ。
荒川さん:あぁー。
泉田知事:
冒頭申し上げた通り、3月11日、地震のあった当日の、夕方の段階で、分かってたわけですよ、
メルトダウン起こり得る。
次の日には、メルトダウンしてるって分かってたのに、二カ月も黙っちゃってる。
誰がどういう指示したのか、っていうのをやっぱり明らかにして貰わないと
いかんのじゃないかと思うんですよね。
荒川さん:う~ん。
町田氏:
でも、全国知事会みたいなところで、その、泉田さんみたいな考え方を持つほかのね、
その再稼働しようとしてる北海道とか、福井とか、佐賀とか、
そういうとこの知事と共有して貰うっちゅうの、なかなか難しいんですかね。
泉田知事:う~ん(笑)
町田氏:かなりお話にはなってるんですけども、お話になりにくいかもしれないけど。
泉田知事:
まぁ、それぞれのね、原発、ご存知の通り、種類も違いますしね、
柏崎BWRって、福島と同じ型なんですか、それ以外の型の所もありますし。
町田氏:まぁ、今、動こうとしてるのはそっちですよねぇ。
泉田知事:一概には言えない。ええ、一概には言えないとこはありますけど。
荒川さん:
ただ、そうしますと、柏崎刈羽原発、条件付きで一歩前進というイメージがあったの、
それは全く違うという事だけは確かですね。
泉田知事:
安全対策をより強化をしたいっていう事で、適合申請については了解したって事です。
荒川さん:という事なんですね。
泉田知事:そうです。住民が不安に思ってるところについては、応えましょうっていう事です。
荒川さん:はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。
町田氏:それイコール再稼働にはならないと。まだ色んな手続があると。
泉田知事:
条件付いてますんで、ベント施設については、柏崎型、BWRについては、必置規制が掛かってるんですが、
これ避難計画とも整合性取らないといけないんで、使わない事を前提に条件付けてます。
荒川さん:
うん、うん、うん、うん、うん。
その辺りの条件というのが、条件付きOKと聞こえてしまっていて、なんか一、一部、
「えっ!泉田知事、方向転換したの?」と、なんか流れたような感じがあった、
とんでもない間違い…
泉田知事:同じ事しか言ってません。
荒川さん:そうなんですねぇ。
片桐さん:あの、一つお聞きしても良いですか。
泉田知事:はい、はい。
片桐さん:
もし、知事が納得するような施設、人、断層の安全性が確認したら、
再稼働っていう選択肢は、あるんですか。
泉田知事:
いや、ですから、まずね、再稼働の議論する前に、福島の検証と総括が先だと思います。
荒川さん:そうか。
泉田知事:そうじゃないと議論出来ないですよ。
荒川さん:
なるほど。はい。
町田さん、なんか、ここまで伺って宜しかったのかなと思うぐらい、ちょっとあのー、
立ち入ったお話までさせて頂きましたが、有難うございました。
泉田知事:いいえ。
町田氏:いや、勉強になりました。
荒川さん:はい、またあのー、色々と動きが出て来る度にまた、お話を伺いたいと思うんですが。
泉田知事:はい。
荒川さん:宜しくお願い致します。
片桐さん:宜しくお願いします。
町田氏:有難うございました。
泉田知事:有難うございました。
荒川さん:今日は、お忙しいところお越し頂きまして、改めて感謝申し上げます。有難うございました。
泉田知事:どうも有難うございます。
片桐さん:有難うございました。
町田氏:有難うございました。
荒川さん:本日のスペシャルゲスト、新潟県泉田裕彦知事にお話を伺いました。有難うございました。
泉田知事:どういたしまして、失礼しまーす。
片桐さん:有難うございました。
町田氏:失礼しまーす。
以上です。
荒川さんは、リスナーの為にわざと聞いたんか、
ほんまに「メルトダウンしてるかどうかすら確認出来てない」て思てたんかは分からんけど、
これって「黙ってた」とか「事実が分からない」やなくて、
「メルトダウンしてない」ちゅう「嘘」やもんな。
原発は安全⇒危険
メルトダウンしてない⇒してた
汚染された食品は市場には出さない(蓮舫)⇒出てた
プルトニウムは重いので飛ばない⇒飛んでた
食品は基準値以下⇒基準値以上が流通
瓦礫は普通のゴミなんですよ(細野)⇒放射性物質が含まれてた
再稼働しないと電力不足・貿易赤字etc←今ココ
片桐さんのように、
「もし、知事が納得するような施設、人、断層の安全性が確認したら、
再稼働っていう選択肢は、あるんですか」
て思てる人も多いんやろな。
これほど知事が何度も発言してるにも拘わらず、なんで再稼働に話が飛ぶんやろか。
規制基準適合審査と再稼働は別。
再稼働の議論をする為には、福島事故の検証と総括が必要て何度も発言し続けてるのに、
いつも注目されるのは、知事が再稼働に容認するかどうか、そこだけが焦点になってるけど
「再稼働」やなくて、「再稼働の議論」や。
なんか、うちも同じ事ばっかしいつも書いてるけど、なんでみんな「議論」の文字を消すん?
事故の検証と総括を公表⇒再稼働の議論
で、フィルタベントがどうとか、避難とか住民の安全確保とか、
そういうのは、再稼働問題とは別で、やって当たり前の事やん。
これは、今回も出てた2007年の地震の時の教訓から出てる事であって、
福島の事故以前の問題や。
2007年の経験に学ぶ事さえ出来てないのに、再稼働の議論はもっと先になるんちゃうか。
断層を調べる班と設備を調べる班の二種類で成り立ってる規制委員会では、
安全の確保も再稼働の判断もでけへんしな。
規制委員会の適合審査クリア⇒政府の再稼働OK!になりそうやけどな。
知事がいつも発言されてる中村審議官によるメルトダウンの会見後、
何もかもがモゴモゴした会見で、やっと二カ月後に認めたけど、
国民の多くがメルトダウンを隠蔽してた事は知ってても、
その事を今もずっと検証と総括が必要て発言し続けてるのは泉田知事だけ。
知事がずっとブレずに発言してるように、みんなで「事故の検証と総括が必要」て言い続けんと!
再稼働問題抱えてる他県の知事は、原発の種類違うとか、それなりの?事情がある以前に、
泉田知事みたいに、ここまで原発の事、放射能の事、理解出来てる知事は居らんのちゃうか。
なんちゃって委員会で検討した内容を喋る程度の他県の知事と
殆どノーペーパーで具体的な説明とか話が出来る泉田知事とは、えらい違う。
線香花火のイメージ、めちゃ分かり易かったな。
線香花火て、殆ど最後は落ちるもんな。
「日本の原発は、足の上で線香花火」
「世界の最新型の原発は、バケツの上で線香花火」
原発推進派の足の上ならまだしも、反対してる人の足の上やもんな。
原発安全、食べても安全、住んでも安全、これ必死で言うてる人ほど安全圏な暮らししてるし。
「臑に傷のある人たち」は、直ちに自首せよ!
※参照(動画)
「封印された「メルトダウン」~男は「真実」と消えた~」
20111228 メルトダウン5日間の真実(1)
20111228 メルトダウン5日間の真実(2)
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