2012-05-01

原爆被爆者の死亡率に関する研究 第14報


武田先生のブログ
4/26 被曝と健康に関する最新論文がでました  に英文の一部分の画像があって、
武田先生は読者からの情報やて書いてたけど
元ソースが知りたくて検索。

公益財団法人 放射線影響研究所」にあった。

原爆被爆者の死亡率に関する研究、第14報、1950-2003、がんおよび非がん疾患の概要
広島長崎の原爆被爆者の致死的・非致死的脳卒中と放射線被曝の関連についての前向き追跡研究(1980–2003)」
上記リンク共に、和文なので理解しやすい。

その後、また武田先生が
4/28 被爆と健康:決定版!!・・・広島・長崎の被爆論文がでました
って事で、詳細を書いてた。

それで、この英文も気になったから、「放影研」見たら、
最新の学術論文 RR番号 4-11に掲載されてた。


原爆被爆者の死亡率に関する研究 第14報 1950–2003年:がんおよびがん以外の疾患の概要
全文(英語) 

This is the 14th report in a series of periodic general reports
on mortality in the Life Span Study (LSS) cohort of atomic bomb
survivors followed by the Radiation Effects Research
Foundation to investigate the late health effects of the radiation
from the atomic bombs.
During the period 1950–2003, 58% of the 86,611
LSS cohort members with DS02 dose estimates have died.
The 6 years of additional follow-up since the previous report provide substantially
more information at longer periods after radiation exposure
(17% more cancer deaths),
especially among those under age 10 at exposure (58% more deaths).
Poisson regression methods were used to investigate the magnitude of the
radiation-associated risks,
the shape of the dose response, and effect modification by gender,
age at exposure, and attained age.
The risk of all causes of death was positively associated
with radiation dose.
Importantly, for solid cancers the additive radiation risk
 (i.e., excess cancer cases per 104 person-years per Gy) 
continues to increase throughout life with a linear dose–response relationship.
The sex-averaged excess relative risk per Gy was 0.42
 [95% confidence interval (CI): 0.32, 0.53]
for all solid cancer at age 70 years after exposure at age 30 based on a linear model.
The risk increased by about 29% per decade decrease in age at exposure
 (95% CI: 17%, 41%).
The estimated lowest dose range with a significant
ERR for all solid cancer was 0 to 0.20 Gy,
and a formal dose-threshold analysis indicated no threshold; i.e.,
zero dose was the best estimate of the threshold.
The risk of cancer mortality increased significantly for most major sites,
including stomach, lung, liver, colon, breast, gallbladder, esophagus,
bladder and ovary, whereas rectum, pancreas, uterus,
prostate and kidney parenchyma did not have significantly increased risks.
An increased risk of non-neoplastic diseases including the circulatory,
respiratory and digestive systems was observed,
but whether these are causal relationships requires further investigation. There was


で、
要約 もちゃんとあって、

本報は、放射線影響研究所が原爆放射線の健康後影響を明らかにするために行ってきた、
原爆被爆者の集団である寿命調査集団(LSS コホート)での死亡状況に関して
定期的に行ってきた総合的報告の第14報である。
LSS コホート構成者でDS02での線量推定が行われている86,611人のうち58%が、
1950–2003年の期間に死亡した。

追跡期間を前報から6年間延長したことにより、
放射線被曝後の長期間の死亡状況に関する実質的に多くの情報が得られ(がん死亡の17%増加)、
特に被爆時年齢10歳未満の群で増加した(58%増加)。
放射線関連リスク、線量反応関係の形、および性、被爆時年齢、
到達年齢による効果修飾作用の大きさを明らかにするために、ポアソン回帰を用いた。
全死亡のリスクは、放射線量と関連して有意に増加した。

重要な点は、固形がんに関する付加的な放射線リスク
(すなわち、104人年/Gy当たりの過剰がん症例数)は、線形の線量反応関係を示し、
生涯を通して増加を続けていることである


全固形がんについて、線形モデルに基づく男女平均の1Gy当たりの過剰相対危険度は、
30歳で被爆した人が70歳になった時点で0.42(95%信頼区間[CI]:0.32,0.53)であった。
そのリスクは、被爆時年齢が10歳若くなると約29%増加した(95%CI:17%,41%)。

全固形がんについて過剰相対危険度が有意となる最小推定線量範囲は0–0.2Gyであり、
定型的な線量閾値解析では閾値は認められなかった。
すなわち、ゼロ線量が最良の閾値推定値であった

主要部位のがん死亡リスクは、胃、肺、肝臓、結腸、乳房、胆嚢、食道、膀胱、
および卵巣で有意に増加した一方、直腸、膵臓、子宮、前立腺、および腎実質では
有意な増加は認められなかった。
非腫瘍性疾患では、循環器、呼吸器、および消化器系疾患でリスクの増加が示されたが、
因果関係については今後の研究が必要である。
感染症および外因死には放射線の影響を示す根拠は見られなかった。




過剰相対危険度とは、
相対危険度(被曝していない場合に比べて、被曝している場合のリスクが何倍になっているかを表す)
から1を差し引いた数値に等しく、被曝による相対的なリスクの増加分を表す


この論文でも「閾値はない」という事が書かれているのと同様に、

現在の学問の到達点と言われてきた『BEIR VII 報告』の
「利用できる生物学的、生物物理学的なデータを総合的に検討した結果、
委員会は以下の結論に達した。
被曝のリスクは低線量に至るまで、直線的に存在し続け、閾値はない
という事が明確になったていう事やね。

※BEIRとは、「電離放射線委員会」の事。
報告書にはBEIR-I~VIIまで発表されてるんやけど、
これらの報告は米国内で最も権威と一貫性があるとみなされ、
放射線影響の評価と防護に関する最も信頼性の高い情報源とみられている。


被災地での放射能汚染された瓦礫焼却、
さらに広域処理という全国拡散キャンペーンは
本来、環境を守るべき環境省が任務を果たさず環境省設置法に反してるんやないか?
どんなに微量であっても、放射能は移動させない、拡散させないという原則を一切無視して、
BEIR VII 報告も曖昧なものとして、危険性を過小評価してるだけ。
IAEA(国際原子力機関)には、広域処理の了解を得たとか言うてるけど
これは文章にはしてない。問い合わせた人の話によると、口頭で報告したらしい。
そもそもIAEAは、原子力推進派やん。
しかもICRP(国際放射線防護委員会)も同様、ICRPの基準は安全を担保できてない。

危険性は、過小評価せず、過大評価すべき。

被災地の人たちは気づいてるやろうか?
食って応援しよう!キャンペーンは、ほんまに農家の人や漁師さんたちを救ってるか?
被災者のためとか言われて、マヌケな国民は助けてるつもりか知らんけど
本来、補償すべき機関である東電や国を救出してる結果になってる事。
食って応援するのも国民のお金。
補償金も国民のお金。どっちも国民のお金に変わりない。
それなら、全面的にちゃんと補償金を支払うようにする事が本来の応援ちゃうか?
結局、暫定基準値にしても、4月からの基準値にしても
これに引っ掛かれば、出荷できひんねん。
生産者も救えず、消費者も被曝させるような愚策。

一番被曝リスクの高い被災地では、どんどん放射性廃棄物が燃やされ
それを日本全土にも拡散させる愚策。

国民の安全と安心は、今の日本では得られる事はない。

24年3月分の環境放射能水準調査結果(月間降下物)が発表された。
この結果を見れば、東日本がどれだけ汚染されてるか論より証拠やろ。



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