2011-06-29

2011-05-16武田邦彦氏講演会in二本松「福島県の復興はきれいにすることだ」

2011-05-16
19時より講演 二本松市にて 定員400名に対し1200名
演題「福島県の復興はきれいにすることだ」

今日は命に関わる深刻なお話になるんですが、私は性質が陽気なほうなんで
テレビタックルで、深刻な話をニコニコ笑いながらやってたら、阿川さんに注意されて
「深刻な話ですから、真面目な顔してやってください」と言われたんですが
これは私の性格なもんですから、皆さんが深刻にご心配になってることは
分かっているつもりでありますので、そこらへんご気分を害されないようにお願いします。
それから、私は勿論学者ですので、皆さんが本当に悩んでおられることがいっぱいあると
思うんですね。私がお話することには、皆さんにはカチンとかかって、なんだ!と
思われることもあると思います。
しかし私は、私の信念からも自分が研究したり、調べたり、
することの結論は、皆さんにはそのままお伝えするという信念でずっとやってきました。
そういうことで、非常に辛い思いもしたことがあるんです。
5年くらい前、ある本を出しましたら、猛烈に攻撃を受けまして、その頃家に婆さんと
家内と娘という女性三人に、僕という感じで住んでおりました。
私はある程度の攻撃は平気なんですが、女性はやっぱり怖くて家に居れないということで、
2年くらい、夫婦仲は良いんですけど別居をしまして、そういうこともありましたが、
学問とはそういうもんでありまして、必ずしも多くの人の賛成は得られないかもしれない。
だけども、自分がこう思うということをお話することが、私なんかの社会的な使命であります。
その点、今日もご勘弁いただきたいと思います。

---ということで、以下、割愛してまとめます。その後質疑応答です---

・日本の原発が津波や地震に弱いという話

・地震指針の時に、机の上に登って暴れるとか、委員長を殴るとか、しなきゃいけなかったかと
思うけど、そこまでの覚悟がなかったとのこと。

・地震指針で通った『原子力発電所は、想定外の時には倒れて、多くの人が被曝する』
という事を新聞に書くと大変だから、新聞記者は書かなかった。

・国会で東電の清水社長が『5.7メートルは、実に甘かった。申し訳なかった』と言って謝ったが、
もっと謝るべきは、保安院の委員長だ。
なぜなら、電力会社が設計した原子力発電所を国民の代わりにチェックするために、
保安院に税金、年800億円も使っているから。

・日本は原子力基本法があり、民主・自主・公開の三つの原則がある。
だから、原子力に関することを隠すことは、原子力基本法違反です。

・足柄の茶葉からセシウムが検出されて、下から吸い上げたと言っている先生もいるが、
私は植物の葉っぱにベタッと付いたと思っている。

・土を上下入れ替えると、雨が降ったら地下水に入るので、低レベル廃棄物は囲いの中へ
入れるようにすること。地下水に入ったら、どうしようもない。

・漏れた量はチェルノブイリと似ているが、90%ぐらい太平洋に行ったので、不幸中の幸い。
だから、郡山市の小学校のように、表土を取り除くことが大切。

・自分の家の近くから掃除をする。掃除をすると溝に流れて、やがて汚泥が汚れるが、
我々の身の回りのものが、移動しただけだが、それは喜ぶべき事で、
汚泥は汚れても、処理技術があるので処理できる。

・妊婦より、土と接触する可能性が多い子供のほうが被曝量が高くなるので、
子供を守れば、大人も自然と守れることになる。
溜桝など放射線物質が多い危険なところに子供を近づけさせないようにする。

・小児癌は、4年後ぐらいから出るが、老人は出るのが遅いので、
できれば、危険な場所は、老人が引き受ける。

1989年のパリ宣言があって、一年1ミリシーベルトに世界で決めた
日本もこれに合わせたが、ヨーロッパは0.1ミリシーベルトに決めている。

・福島原発は、広島の放射性物質の500倍くらいある。

・管理区域の基準は、3ヶ月で1.3ミリ、一年にすると5.2ミリ。
病室はこうなっているが、健康を管理しているから。

・海水浴に行って、紫外線で日焼けして帰ってくると、8000個ぐらいの皮膚癌が残る。
しかし、修復することができるので、健康に注意して、栄養のバランスを摂れば
5ミリぐらいまでは第一目標にする。

・総GDPは約500兆円で、それに対して農業出荷を中心とした一次産業出荷価格は7兆円。
そのうち福島で出荷しているのは、おそらく1千億とか2千億。
リサイクルに4000億使っているから、これで福島の農産物を全部買い上げてしまえばいい。
農業の人は作ったものを食べていただきたいと思うけど、やはり放射線で汚れたものは駄目だ。
反論はあると思うが、特に福島の人、しかもさらに子供は絶対に食べさせてはいけない。
どうしても食べてもらいたければ、0.2とか0.3しか被曝していない人に。
福島の人は、地産地消は駄目だ。

・今は芝生や葉っぱにベタッと付くので、そのままにして、近寄らないようにして、
梅雨の後に草を切って燃やす。

---質問タイム---

男性1:お米の作付けをしているが、ゼルライトとか試そうと思っているが有効ですか?
稲藁の処分はどうしたら?
作物は500ベクレルと書いてあるが、私たちは500ベクレルで消費者の方に食べてもらおうとは
思っていませんが、大体どのくらいだったら安心して食べていただけますか?

武田:もう作付けや田んぼを作っている方が殆どですが、今年は駄目だと思います。
汚染されたお米をもし出荷したら、福島のお米の評判は極めて落ちるので、
それを回復するのは困難だと思います。
それから、ゼルライトは若干の効果があるかと思いますが、
やはり基本的には、田んぼをやり変えなきゃいけないと思います。
これに失敗すると、30年という長期に渡って問題を起こす。
ですから今年一年、どういうふうに農家の方がやるか。
今後何十年かの福島の農業が決定されてしまうと思います。
面積が極めて広いことも、取り除くことが非常に困難だと分かっていますが、
しかしそれは我々の願望であって、事実ではないんですね。
我々は事実に対しては、勇気を持って立ち向かわないといけないと思っております。
ただ、食品に対するベクレル規制については、一部は問題なものがありますが、
国際的にも、日本はそれほど変ではありません。
したがって規制ベクレルに入るような、具体的な計画を立てるべきだと思います。
例えば稲のほうにあまり入らないとか、甘い観測をあまり期待しますと間違う。
もし今年植えてしまった稲に、高い放射性物質が入っていたら、
農業関係者自体が、出荷を自主規制するということをはっきりすれば、
福島の農業に対する多くの人の信頼性は、失われないだろうと思います。
それから、稲藁とかは焼却がいいんですが、焼却するときに、
焼却の中に入っているセシウムとか取る技術がある。
したがって、できれば秋ぐらいまでに、農業協同組合とか中心になって、
県内に、放射性物質が付着している農作物を焼却する設備を作るべきだと思う。
これは、20キロ圏内のように、かなり放射線の高いところも、これは住民の人が
やることはできませんから、国の力を使って、そして早めに除染が必要です。
決して諦めないことが大切だと思います。
大変厳しい話で、私ももう少し勉強しまして、お答えしようと思います。

男性2:二本松に住んでいます。自分の家の周りを取り除いたが、どこに持って行けば?
内部被曝のチェックの仕方を教えてほしい。このまま住み続けてもいいのか?

武田:庭の土と格差を取った場合、本当は東電が引き取るのが正しいが、
それができないので、ビニールに包んで、人の近づかない庭のどこかに
仮埋めしておくのが安全です。
それから、内部被曝が一番問題なんですが、私が3月の末ぐらいに計算した感じでは、
二本松とか中通りの人たちは、外部被曝に掛け算したらいい。
したがって、マスクを完全にかけてる人で、水はペットボトルで、食材は北海道だという
生活をした人は、例えば当時2マイクロシーベルトだったら、2マイクロシーベルト掛ける時間。
それから、マスクをせず、水はペットボトルを飲んで、食材には気にしてなかったなら、
掛ける3ですね。ですから、外部被曝と内部被曝。内部被曝は、吸い込んだものと水、食材で
大体3月は、1対1対1という感じだった。ですから、まず3月一ヶ月を計算します。
お子さんで非常に運動する人は、もう一つ足さないといけない。
4月に入ると、空間が減るので、水と空間を合わせて1ぐらい。
5月に入るともっと空間が減りましたので、今は食材と外部だけで、掛ける2。
食材に注意していれば1。放射線の良いところは計算しただけきちっと合います。
注意しないといけないのは、地上1.5メートルぐらいの測定値が良くて、
あんまり高いところで測定したやつを使うと、ズレますね。
計算して、大体今どのくらい被曝しているか、できれば一年間、最悪の場合は五年間で
減らしていって、平均値を下げればいい。
今年は5を超えるというときには、ご家庭のご判断ですけど、若干のリスクを被るか
どっかに待避するか、それは仕事とか、どんなに被曝しても二本松に住みたいという人も
居られるし、それは個別の人の考え方だと思います。
測定も大切ですが、線量率はなかなか本当のところは出てこないので、計算を勧めます。
甲状腺癌だけは、一応は分かるんですけど、それでも誤差が大きいんですね。
ですから、計算されたほうが、おそらく正確だと思います。

男性2:私たちは、ここで仕事をしていかなければならないから簡単には出られないので、
そういうジレンマを抱えている中で、子供だけでもと思うが、ただ子供は行きたくないと、
そこへ行けば虐められるのがいやだと。ですから、一部の地域の人たちは、
学校単位でどこかへ疎開するとかできないかと思っている。

武田:確かに私も随分、呼び掛けているんですが、文科省の今の状態では、成功率が低いです。
ですから、自分たちの子供を守るために計算して、どうしても駄目であれば、
個人的な関係で、対処するしかないと思います。
法治国家としてはあり得ないことですけど、現在はそれを選ぶべきじゃないかと思う。
二本松の状態を見ていると、お子さんを待避させなくてもいいんじゃないかと思いますが、
計算してみないと分かりませんが。
さっき言ったように、危険なところに近づかせないということが重要で、平均値じゃなくて、
やっぱり0.1を切るようなところで生活をさせるということが非常に大切だと思う。

女性1:二本松に住んでいるが、ここから1キロ離れたところに新築を予定していたが
建てるときに表土を取ってもらう話があったが、費用と処分する問題で、
今どうしようか考えてるが、家は諦めたほうがいいのか?
汚れた土地に家を建てたときに、その家の中にもコンクリートを突き抜けて
放射線が入ってきてしまうのか?

武田:僕の感じは、諦める必要はないと思います。ただ、建設の時期は急ぐんですか?

女性1:9月以降、ギリギリ待って・・・

武田:私はもう少し建設の時期をずらして。どっかの土ですか?そこにある土ですか?

女性1:3年ぐらい前に河口を埋め立てた・・・

武田:表土は計りましたか?

女性1:計ってないです。

武田:表土は誰かに計って。3年前に持ってきたって、新しく降ってますから、今計ったら
ほかのところと同じようになりますから、1センチも取ったら、多分かなり減りますよ。
そして、少し遅らせて建てられるほうが正解じゃないですかね。

女性1:どれくらい遅らせたほうが?

武田:二年ぐらい遅らせたほうがいいと思います。

--会場、爆笑--

男性3:自治体の線量が書いてありまして、二カ所表土除去したところですが、
3.8マイクロシーベルト以上の数値が出ていて、
除去した後は、1マイクロシーベルトを下回っています。
ところが、それ以外のところで、2もしくは3のところがたくさんあります。
自治体の判断で、中学校で部活を行っているところがあります。
今日ここに集まってらっしゃる方は、意識が高くて、なるべく浴びさせたくないと、
皆さんも思ってらっしゃると思うんですが、
保護者の中で「国が言うから安全だ」と思っている方も相当います。
あまりにも温度差があって、除去してほしいという依頼をしても、市の教育委員会、
県の教育委員会も全く動いてくれないし、自治体の首長も安全だと言ってしまう。
そういう状況に声を上げていったらいいか?

武田:除かないところは3.15、除いたところは0.69、この差は非常に大きいわけですね。
つまり0.69というのは、管理区域の0.6と殆ど一緒ですから。
三ヶ月ぐらい経ったら、この小学校は自然に遊べると、暫定値がどうなろうとできる。
ところが、3.15のところをこのまま放っておくと、できないわけですね。
放射線被曝に関するお子さんの悲惨な例というのは、実はいくらでもあるんですよ。
それをご父兄の方に訴えるということだと思いますね。
チェルノブイリのときに、お子さんが被曝する。そのお子さんは、なんともなかったが、
その後15年ぐらい経って、その女の子が結婚して妊娠する。
そのときに、子供が産めないということが分かったという例もあるわけですね。
これは、遺伝子というのは、傷ついた場所がすぐ出てくるとは限らないわけですね。
その女の子が一生結婚せず、子供を産まなければ、何も傷害として出てこなかった。
だけど、自分の子供を産む遺伝子のところがやられてた。
私が慎重に構えているのは、我々は放射線と人間の関係に詳しく知っているわけではない
唯一知っていることといえば、できるだけ放射線を浴びないこと
我々は今まで、一年1ミリ、もしくは5ミリでやってきたということしか知識がないんですね。
だから、20ミリでも大丈夫ですと言ってる人が、何の根拠があって言ってるのか分からない。
それほど学問というのは分かるもんじゃないんです。特にお子さんですから。
やっぱり、そういう例をお話になって、放射線による障害というのは、恐がりはしないけど、
我々の未知のことがあるんだと。それを子供たちに被せちゃいけないんだと。
そこのところを訴えていくしかないと思います。
これは、おそらく勿論、政府が言うから、教育委員会が言うからと信じている人も居るが、
だけどやっぱり子供の命は子供の命ですから、親御さんたちがやっぱり粘り強く、
そういう例もお話になって、必ずしもそうなるわけじゃありません。
だけどそうなる可能性のある状態で、人体実験と言いますか、そういうことにならないように、
削れば3.15のところが、0.69になるっていうようなところは、やっぱりやってあげる。
0.60、つまり管理区域に近づけば、ある程度一段落しなきゃいけない。

男性4:リアルタイムの放射線量を私たちは、どう見ていけばいいのか、
どう活用していけばいいのか、どう受け止めて、どう行動すればいいのか?

武田:非常に適切な質問で、実は最初の放射線というのは、飛んでくる量で決まってた。
ですから、増えたり減ったりしてた。今は飛んでくる放射線じゃなくて、
かつて飛んできた放射線が、溜まっている状態なんです。
ですから安定してるんです。放射性物質は手で取らない限り絶対になくなりません
セシウムは30年間、殆ど同じなんですね。
セシウムが飛んできて落ちた区域で、存在するセシウム量は時間が掛かっても変わらない。
ですから、今一定になったんです。今の一定の状態で放っておけば、30年続くんです。
だから、今がチャンスで人間の手で除いて、さっきのように3が0.6になれば、5分の1になった
ということですから、5分の4の放射性物質を除いたということを示しているわけですね。
今安定してるのは、空中じゃなくて、木の葉っぱや土とかにあるんです。
今度は、雨が降ったりして、徐々に変わってくるが、人間の手で積極的にやることが大事。
それから魚は、チェルノブイリのときに、空に飛んできたものが落ちて汚れました。
すぐプランクトンに出るんですね。半月経って、コウナゴとかちりめんじゃことか、
小魚に出るんです。これは骨の中に、ストロンチウムが入るんです。
それを食べると、小魚のストロンチウムが、自分の骨に、カルシウムの代わりに入って
骨から出るβ線で、骨髄がやられて白血病になるというルートですね。
今は小魚とか一番危ないので、ちりめんじゃことか食べないほうが良いです。
だんだん危なくなってるのは、中型の魚。これは二ヶ月かかるんです。
だから5月の末ぐらいから、危なくなってくる。今安全なのはマグロ。
大型は食物連鎖で四ヶ月掛かるんで、僕はマグロ丼なんか食ってるんです。
--会場、爆笑--
チェルノブイリのデータですと、7月になると出るくるはずなんです。
それと産地見なきゃなんないから、面倒くさいから今のうち食べてるんです。
肉は割合と安全ですね。幸いなことに福島の牛肉、豚肉、鶏肉も殆ど汚れてないです。
少しは汚れているけど、いっぱいいっぱいの子供でも食べれる感じ。

女性2:20ミリシーベルトを文科省に撤回をさせるために、4月21日、5月2日、
参議院議員会館で、直接交渉してきました佐藤です。
子供たちを放射能から守る福島ネットワークを5月1日に立ち上げて、
県内外のお母さんたちに、協力いただいて、今やっているところです。
1ミリシーベルトを守るべきだという強い言葉をいただいて、とても感激しています。
福島県が依頼している3名のアドバイザーたちは、100ミリまで大丈夫だと講演会でも仰っていて、
私たちは、それを信じている人たちにお話すると、先ほどの人が仰ってた方と同じように、
温度差を感じて、肩身の狭い思いをしておりました。
なので、是非武田先生に、県のアドバイザーになっていただきたいと思います。
--会場、大拍手--
実は、来週23日に、また文科省に行くことになっております。
先生ももしお時間があれば、ぜひ一緒に・・・・・
--会場、大拍手--
私は、百姓をしていて、土をフランスに送って検査してもらいました。
それで、セシウムが基準値を超えていたので、今年は一切作らないことに決めたんですが、
植物が絶対浄化してくれると思っているんですが、微生物で何か良いものがないかと
思っているんですが、全部剥ぐのは、うちの場合は無理なので。
ガイガーカウンタと保育園の土を文科省に持って行って、その場で計って見せて、
38マイクロシーベルトあったんです。
舗装道路を毎日計っており、これは幾ら洗い流しても半分ぐらいにしかならない。
30マイクロシーベルト以上のところが、大分あるんですね。
子供たちは、ここを歩いて毎日学校に通っていることを誰も言わないんです。
校庭の土は取ればきれいになるのは、実際に保育園とかでやっているので確かめています。
枯れ草の上にも大体30~50マイクロシーベルト溜まっていますが、草を取り除くと
1マイクロシーベルト以下になったりするんですけど、舗装道路だけは駄目なんです。
何か良い方法はないでしょうか?

武田:私も全力でやっていきたいと思っています。
自分たちでやってくださいと言ってますが、子供たちは待ってくれませんから。
放射性物質は何によっても除けません
ですから、やはり決意をして、ある程度表土を取るか、せめて草ですね。

女性3:県別の対策を教えてください

武田:福島の中通り、浜通りが一つの地域。それから茨城県の北、栃木県の北、
宮城県の南側、第二地域といいますか、そういうところですね。
それから、さらに会津も入れた周辺が第三。それから東京、その他の所は第四。
土地の汚れ方によって違います。殆ど違わないんですが、被曝線量として、
福島県以外のところは、大気は殆ど汚れていない、空間線量だけはある。
それから、食料も比較的初動のものを買えるという環境にありまして、
その点では、福島と違うかなと思います。
ただ東京でも、表土を取ったり、草を抜いたりするのは、非常に大きな効果があるんで、
やはり東京は、福島よりは安全ではありますが、放射線は低いほうがいいんで、
積極的に梅雨の前にやってもらいたい。
それから、放射性物質が来て、雨が降ったり、風が下向きに吹いたりしたところが
非常に強いところがあって、まだらなんですね。
ですから、自分の周辺の放射線量を計って、それなりの対策をとることが大切だと思う。

特に学校とか幼稚園では、児童は強制的に運動させられたり、給食を食べたりします。
それに対して大人は、スーパーに行っても、自分の判断で買えますし、
それから、少し土が汚れているなと思ったら、そこに近づきません。そういう点で、
やはり、一番気をつけてあげなきゃいけないのは、幼稚園、小学校、高校までですね。
そういうところの先生方は、できる範囲で努力してもらいたい。
例えばプールなんかも、毎年児童がプール掃除をする、教育上大切だったかもしれません。
しかし、児童に「今年は放射線があるので、やめよう」ということを説明することも
やっぱり教育ですので、先生方もあまり日常的なものをやらないようにしてもらいたいです。
それから、福島の会場で、「家庭菜園やってる。今年どうしましょうか?」と。
「やめてください」と言ったんです。こういうことは、一生に一度しかありません。
しかも、数年待てば、状況が変わってくるんですよ。
ですから、今年のようなときに、小学校のプールを児童に掃除させたり、
家庭菜園をやったりしないで、今年は残念ですけど、放射線の量を減らすということに
全力を注ぐべきだと私は思います。

男性5:薫小学校すぐ近くの公園で、ちょっと異常なタンポポを見つけたんです。
こういうものっていうのは、もうそういう影響が出てるんでしょうか?

武田:一般的に言えば、放射線による障害で、
遺伝的なものが子供に伝わるという量は、発癌に対して、極めて少ないです。
これは安心側のことですけども、今のところはハッキリしてません
これは、おそらく胎児の補修能力というのが母親に似てるんですね。
我々が内部被曝量を計算するのに、係数というのがあるんですけど、
その係数は、幼児のほうがずっと高いんです。胎児より弱いんです。
このことが多分、奇形の発生を減らしてるんじゃないかと思います。
したがって、一般的に放射線に被曝すると、奇形が出るというふうに心配しておられる
妊婦の方もおられるんですけど、僕は大体が大丈夫だと、ほぼ大丈夫ですね。
これは、胎児は大人とかなり近いんですよ。
今の写真も見ましたけど、世の中で言われるほど、放射線による遺伝的な傷害の例が、
非常に少ない。実は一年に1ミリでいくと、一億人に対して5000人の中には、
過剰癌発生にプラス、遺伝的疾患なんです。遺伝的疾患の量は、すごく少ないですね。
ですから、多分今のは違うと思います。

女性4:校庭の除染で入れ替えるのに、シートを使うという方法があるんですが。
除染をして数値が下がって、数年後サッカーなどスポーツができますか?

武田:上下を入れ替えたら、表面の線量率は下がりますから、それは除去するのと全く同じ。
ですから、それは良いです。将来、小学校の土が下に浸みて、シートぐらいじゃ駄目なので、
浸みて地下水を汚染するということが起こるということなので、推奨はできませんけどね。
ですけど、運動できるかどうかという点では、勿論表土がなくなりますから、
それは良いんじゃないかと思います。もう一回掘り起こさなきゃなんないということを
決意してやると。もしくは地下水が汚れてもいいと思って、ひっくり返すことができる。

女性5:一年間は、福島県の農食物は摂らないほうがいいということなんですけれども、
どのくらい経てば、食べれるようになるか教えてください。

武田:それは今年のうちに、どれくらい表土を取ったり、草を取ったりできるかという
ことですね。特に汚染の強いところは、道路を磨いたり、家の壁をやったり、
表土を取ったりするほかに、できれば秋口くらいから、木を切るか、枝を切って
それをまとめて焼却するということを積極的にやることによって、
実は風が吹くとまた移動するわけですね。
要するに、そこに放射性物質がある限りは、そこからまた飛んでいくんですよ。
僕が木を切るのを遅らせたらと言ってる理由は、
土の吹きだまりのあるときが、台風でもう一回飛びますからね。
ですから、20キロ圏内のような非常に高く汚染されているところを本当は国が
自衛隊を使ってきれいにしてくれと言ってるんですけど、なぜかと言うと
今そこに落ちてるだけなんですね。
それが夏に乾燥して風が吹いたら、また飛んでくるんです。
だから、放射性物質というのは、なくなりませんので、それを考えて処置をしておかないと
来年にも持ち越しちゃうんですね。
ですから、来年に持ち越すとか、再来年に持ち越すとかは、福島に住んでいる方には
耐えられないと思うので、できるだけ今年中に取るものは取って。
粉ですから、風でも移動しますからね。
ですから、それをおやりになれば、来年からは安心して植えられるような土壌に
していくということが重要じゃないかと思います。

女性6:先ほど、校庭の砂を除去すれば、部活動とかやりやすくなるとお聞きしたんですが、
そのことに対して、PTAの総会のときなどに声を上げるんですが、先生方が仰るのは、
県教育委員会のほうから、何の指示もないので、できませんというようなお答えですとか、
県教育委員会のほうで、国のレベルに達しない限りは、というような話の限界である
ようなので、その辺、先生方にどのように理解していただいて、除去を進めればいいのか
お知恵をお借りしたい。

武田:学校で勉強する子供たちの健康問題というのは、教育委員会も学校の先生も校長先生も
何の権利もありません。子供たちだけが権利を持っていますね。
ですから、子供たちの被曝を教育委員会が勝手に決めることはできないですよ。
だから、そこですね、一番問題なのは。
今の教育委員会も校長先生も、自分たちが大人だから、子供の被曝を決められると
思ってるんですよ。そんなこと絶対にありません。
だって、そこで学ぶ子供たちのための学校ですからね。
だから、そこで学ぶ子供たちが被曝するような状態をもって、
教育委員会が何もできませんなんて言うこと自体が、おかしいんですよ。
そんなの無視したらいいんですよ。

女性6:PTAのほうで手がけてやっていきたいと思います。

武田:そうです。PTAが独自でやればいいんで。
校長先生とか教育委員会なんて関係ないですよ。そんなのいらないですよ。
--会場から拍手--

女性6:焼却をすれば、物質がなくなるんですか?

武田:なくなりません。ですから焼却は、ある程度みんながためといて、
それを焼却の時にフィルターを付けて、ちゃんとフィルターに放射線物質が取れるように
してからやんなきゃいけない。

女性6:草を刈った人がいて、その草をどうすればいいですかと市のほうにお聞きしたら、
燃えるゴミに出してくださいというような言い方をされたんですね。

武田:できれば福島市で、焼却炉は大きいですから、
この際福島市がある程度、放射性物質が飛んできたのは分かってるわけですから
フィルターを付けてもらうってことですよ。

女性6:ゴミ処理センターのほうに、要請すればいいですか?

武田:そうです。必ずフィルターで取れますから。
それは東海村なんかで使ってるフィルターがありますからね。
ガス以外のものは、トラックで行きますから。

女性6:そのように、市のほうの方に勉強していただくためには、どのように?
--会場、爆笑--

武田:六ヶ所村へ勉強に行ってくださいと言うんです。そこで現実にやってますから。
そこで企画を聞いて帰って、それを取り付ければいい。

司会:それぞれのネットワークやグループで活動している方の横の連携をこれを機会に
作りませんかという提案がありました。情報交換もできると思います。

武田:例えば雨が降ると、雨には必ず放射性物質が入ってるんですね。
それを個別に守るということですね。よくシャワーに入る。
具体的に被曝を避ける方法というのは、いっぱいあるんで、
それを積極的にやっていかれることをご推薦したいと思います。

男性6:1号機ではメルトダウンしてると、2号機は圧力容器が破壊されたようだと、
3号機はプルサーマル、それで今は大変温度が上がってるというような状況でありますが、
先生の目から見た現在の福島原発の事故の状況について先生のお考えを。

武田:非常に変なことを言うようですけど、現在の故障している福島原発は、
日本の原発の中でも安全なほうです。
もっと危険な原発がいっぱいあります。もんじゅなんか、ものすごい危険です。
今の福島原発は、もう力がないんですよ。
だから福島原発は、1号機がメルトダウンしてるとか、非常に皆さんが心配してますけど、
僕から見ると、一番危ない原子炉は、もんじゅ
二番目は、全国のいろんなところにある耐震性の弱い原発。
これは現在の福島原発より、ずっと危険ですね。
ですから、福島原発は、今まで爆発してきたんで、なんとなく不安ですけど、
あれはもう力のなくなった原発ですから、あんまり心配しなくていいですよ。
福島原発は安全だと言ってもいいんだけど、ちょっと言い過ぎなんで、
ちょっと言いにくいんですけど、頭の中は、そう切り替えたほうがいいですね。
そして、被曝の防止のほうに力を注いだほうがいいと思います。

女性7:4月に年間の積算量を聞いたんですけど、いっこうに答えが返ってこなくて、
5月にまた言ったんですけど、人ごとで答えが返ってきませんでした。
だから市長に電話をして、返事を待ってるんですけど
なぜ、こんなに近いのに年間の積算量がきちんと返事がないのか疑問に思ってます。

武田:実は、福島県の自治体は、これでよくやってるほうなんですよ。
こんなこと言うと、御用学者と思うかも(笑)
法律で、放射線で汚れたものは全部自治体の仕事から除かれてるんです。
これが大きな問題なんですよ。
先ほど中部電力の話をしましたが、電力会社もやらなくていいんです。
要するに、自治体は任務に入ってないんです。
現在、福島県で自治体で一生懸命やってることは、実は全部サービスなんです。

もっとすごいのは、名古屋市で会をやろうってなったときに、名古屋市の職員が僕に
「実は、委員会をやるだけでも忠実職務違反になるんです」と言ったんです。
「なんでですか?」って言ったら、
「この条文を見てください。名古屋市は、放射線で汚れた計算だとか、
放射線で汚れた泥の片づけだとか、全部業務から除外されてるんです」って。
明記して、カッコしてね、これを自治体の仕事から除くって書いてあるんです。
だけど、名古屋市はやっぱりやらなきゃいけないから、それで委員会っていう名前が
勉強会に変わったんですよ。
もう本当にびっくりしちゃうんですけど、それが現実なんです。

ですから今言われた被曝量を計算するのは、勿論自治体の本来の役割なんだけど、
なんでそれをできないかっていうと、日本の法律がすべてを国がやるようになってるんです。
国だけが、放射性のものをやることになってるんです。
しかし、実際には国は全く人間もないし、手もないし、できないんですね。
自治体ができないってことになると、これはもうやっぱり我々がやらざるを得ないと
いうのが、今日私が言ったことであります。
だけど自治体の中には、神奈川市長もそうですけど、
「そんなこと言わないでやれ」と、市長が言ってますから。
これはやっぱり役人というものは、そういうもんで、それも仕方ないことなので、
少し我々自由な立場にあるのが、活動するというのが仕方がないんじゃないかと。

僕もブログに不完全ながら、累積被曝量を計算するやつができてるんで、
お母さん方、お集まりになって、あまり難しい方法じゃなくて、
計算をされたらいいと思います。
本の宣伝になっちゃって、僕全然本売れなくていいですから、関係ないんだけど、
主婦と生活社っていうところで一生懸命今作ってるんですよ。
誰でも計算できる被曝のね。問題なのは、どのくらいの地域の線量率をどのくらい出すか
明日もまた打ち合わせてくるんですけど、それを開ければ、自分の子供の計算ができるって
本を作ろうと思って、今一生懸命やってます。まだ6月の前半になっちゃうと思うんですが、
頑張って作ろうと思ってますので、そういう方法で、ご自分で計算すると、
ご近所と一緒に計算するってことが一番いいんじゃないかと思います。

※講演会が終わった後でのインタビューを割愛
「よく政治っていうのは、国民のレベルによって決まるって言うけど、
この前三宅さんっていう政治評論家からも聞いたんだけど、
本当にそうかなって気がしますね。非常に国民はよく考え、覚悟もできて、
やってるにも拘わらず、政府はそれほどではないと。
だから、こういうふうなアンバランスな国っていうのが、ほかにあったのかな、
歴史的にあったのかなっていう感じがしますね。

今日ね、福島の人に講演したんですけど、勿論非常に辛いところに居られるわけですよ。
このままだったら30年、汚染された食品を作らなきゃいけないかっていう
不安もあるわけですね。だけども、よく覚悟しながら、かつ冷静であると。
これに対して、政府なんていうのは、頭のいいやつが集まってるけど、
ウソばっかりつくし、全然駄目ですね。どうしてこういうふうな社会になるのかって
いうことは、疑問に感じられましたね。」

Q:今日、行政に対してどうしたらいいかって質問が出ていましたが、
もう皆さんでと、そこにキーがあるんでしょうか?


武田:「やっぱり問題と言えば、行政に最終的に頼るという気持ちをどうやったらなくすか。
僕はヨーロッパは嫌いだけども、フランスなんかは、そこがしっかりしていて
行政は、添えもんに過ぎないと、はっきりしてますね。
日本がそこまで成長していくことが大切だと思いますけどね。

これはちょっと極端な例ですけど、二本松市で講演してたら、駐車違反ってありましたね。
日本の場合は、警察が駐車違反と言うと、勿論ちゃんと従うわけですよ。
これは良いことだけど、パリで駐車違反をなんで警察が取り締まれないのかと
僕が聞いたら、駐車違反を取り締まろうとすると、国土は我々のもんだから、
なんで警察が言うんだと、こう答えるので、取り締まれないと言ってたんですよ。

だから、それが良いか悪いかは別にして、やっぱり福島の土地は、
福島の住んでる人のものだと。だから行政が、手伝ってくれるのは良いけど、
行政が主体になってはいけないというようなことも一つはあると思いますね。
だから今度のこともきっかけになって、やっぱりそういう点で一歩進むんじゃないかと。
今日はサッカー協会の方と同席してますけど、サッカー協会はサッカー協会のポリシーでいくと。
こういうことが、だんだん本物になっていくということが大切だと思います。」

Q:今日は、横のネットワークをあの会場で作られていたようですね。
良いなあと思っていました。ノウハウを伝達し合うってことで。

武田:「そうですね。民間でやる場合は、お互いに主張を譲って、
できるだけ多くの人でやるってことなんですけど、民間でやる場合の一番の問題点は、
お互いに主張し過ぎて、そしてまとまりの欠く活動になったり、
お互いに足を引っ張ったりすることですね。
今日、ああいう呼びかけでね、
そういうことができるようになったことは、非常に大きな進歩だと思います。」

以上

もう一ヶ月以上も前の講演会なんで、時期的な話については、ズレはあるけど
うち自身の備忘録としても置いときたかったんで。
この日の講演は、15時から福島市で公演されたようです。
定員200名に対して400名で、演題「食と放射能」でした。

先生が本を出して攻撃されたって話、これは環境問題のことかなあ?
ほんま矛盾しまくってるからなあ。
分別せなあかん地域と、全然せんでええ地域とあるし。
で、分別しても、結局一緒くたに燃やしてたりとか!
エコ言うてるわりに、エコバックなんか作ってるし~
リサイクルに4000億も使てたとは!(`エ´)ピャー
無駄な税金だらけや!

それと、保安院!800億ぼったくりで謝罪もなしかよっ!
こういうことがふつーにやられてることが、山ほどあるんやろな。
SPEEDIもそうやし、地震予知も無駄な税金ばっかりで、
返せ!やん。返すどころか、まだ増税言うてる!ヽ(`Д´)ノ

それにしても、放射能の扱いは国がやる法律にしといて、国は何もしてへん!
するどころか、隠蔽にウソ!

福島県、その周辺の農業・漁業の方たちは気の毒やけど、
やっぱし先生の言うように、評価を下げることをせんほうがええ。
2ちゃんのスレに、だいぶ前に「自分の子供に食べさせられんもんは出荷する気ない」って。

ただ、今朝、NHKでやってたふくしま希望市場
自主検査を行っている福島県須賀川市のグループなんやけど、
今の日本は暫定基準値が500Bq/kgて、アホほど上げてるけど、
ここの農家の人たちは50Bq/kgに設定し直してるねんな。
で、今のところは50どころか不検出。
表土も取り除いてたし、土の測定も独自でしてた。
こんなふうに努力してるところもあるから、今年は駄目て一概には言えんかなとも思う。

公演後のインタビュー、
三宅先生の言うてたのは、金さんも言うてた。
国民が選んだ政治家とか、国民のレベルに反映してるて、聞いたときはめちゃむかついた!
国民て一括りにされるのが、超むかつくし
いっぺん民主にやらせてみたらちゅうてた三宅、お前が言うな!やわ
けど金さんは、民主は絶対アカン言うてた。
一部の国民のレベルのほうが高いんちゃうん!
日本がこんなことになってるちゅうのに、アホなこと言うてる国民も居るけどな!
三宅は増税派やしな。原発も今すぐやめたらあかん派やしな!
色々知識は豊富な人やけど、今の時代についてきてないんかも?(;・∀・)



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