2011年6月23日(木)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」に小出裕章氏が出演
DJ:リスナー(L)の方からたくさん質問が来ているので、よろしくお願いします。
L1:私の実家は、福島県郡山市内の中で、最も放射線量の高い場所にあります。
子供の頃に、よく遊んだ近所の大きな公園は、現在立ち入り禁止となっています。
家族の者がガイガーカウンターを借りて、周辺を測定したところ、
近所の公園からは4.7マイクロシーベルト、家の庭の芝生部分から、5.4マイクロシーベルト、
家の門から庭の横を通って、玄関までのスロープの部分からは、2.7マイクロシーベルトという
結果が得られたようです。場所によってばらつきがあるようですが、芝生の値がかなり高いため、
刈ることもできずに、雑草がどんどん伸びてきているようです。
これはどのように対処したらいいんでしょうか?触れずにそのままにしておくのがいいのか?
芝生に触れないように、刈るのが良いのか教えてください。
小出:難しいですね。
普通の日本という環境でいうと、いわゆる空間のγ線量は一時間当たり0.05ぐらいが普通です。
ですから、ほぼ100倍近いことになっているわけで、福島原発の事故で飛んできた放射能が
降り積もっているわけですね。それは、もしそこで子供さんが居て、
子供さんが遊ぶとかいう場所であるなら、私は勿論、芝生は刈らなければいけないと思うし、
むしろ芝生は全部剥ぎ取ったほうが良いと思います。
そうではないなら、もしお年寄りだけなら、諦めてそのまま過ごすという選択もあると思います。
DJ:除去しようと思うなら、もう芝生を剥ぎ取ってという形で?
小出:はい、子供さんが居るならば、必ず剥ぎ取ってほしいと私は思います。
L2:20日の放送で、福島の土壌汚染を5センチ引っぺがせと仰っていましたが、
とても重要なことだと思います。本当ならば、福島の人を全員避難させたいとも仰っていましたが、
土の除染で、どれだけ大丈夫なんでしょうか?
放射能が降り続けるところで、どうしたらいいんでしょうか?
小出:まず、今のご質問の中に「大丈夫」という言葉がありましたけれど、
被曝に関しては、大丈夫という言葉を使ってはいけません。安全だとか、安心だとか、
大丈夫だとか、そういう言葉は、絶対に使わないように注意をしてほしいと思います。
どんな被曝でも必ず危険はあります。
ですから、どこまで受け入れざるを得ないかという、それだけの判断です。
私は、とにかく子供が遊ぶような場所は、表土を剥ぎ取ってほしいと言ってるわけで、
それを剥ぎ取ると、多分被曝の量は10分の1に減ると思います。
ですから、子供が何時間か、泥んこまみれになって過ごすという場所は、
多分5センチ剥ぎ取れば、10分の1になると思います。
今、汚れているのは3月の中頃に、大量に福島の原子力発電所から飛んできた放射能が
降り積もった結果です。これからまた大量の放射性物質が大気中に放出されるという
事態になるかどうかというのは、私にはよく分かりません。
なってしまえば、また表土が汚染されるわけですから、
また剥ぎ取らなければいけなくなるかもしれません。
でも、今のところは3月の半ば頃に比べると、
空気中からたくさん降り積もるということは、なくなっていますので、
まずは剥ぎ取ってほしいというふうに、私は願っています。
DJ:次の質問は、ドイツからです。
L3:元原子力企業上級副社長のアーノルドガンダーセンという人が
「今も福島原発の露出された原子炉と炉心からは、何ミクロンものセシウム、ストロンチウム、
プルトニウム同位体などのホットパーティクル、放射性物質の微粒子が放出され続けているのだ。
科学者たちは、日本の色々なところで、そして東京でさえもホットパーティクルを検出している。
ホットパーティクルは、車のエンジン、エアーフィルターにくっついている。
福島や東京などでは、放射能汚染されたエアーフィルターなんていうのは、ごく当たり前のことで、
遠いところでは、アメリカのシアトルでも、放射能汚染エアーフィルターが見つかっている」と
言っているが、私たちは、このことをどう理解したらよろしいんでしょうか?
小出:福島の原子力発電所は、壊れてしまって大変高温になった状態で、
たくさんの色々な種類の放射性核種が空気中に出てきました。
それは殆どがものすごい細かい微粒子になって、空気中に飛び出してきて、それが風に乗って、
あちこちに汚染を広げているのですね。細かい微粒子のことを私たちは、ホットパーティクルと
呼んでいて、もしそれを呼吸で取り込んでしまうようなことになると、
例えば肺なら肺の吸い込んだ粒子がくっついたところに、局所的な大量の被曝を与えるという、
そういうことになりかねないということで、昔からこのことを危惧されています。
特にプルトニウムというものは、α線という放射線を出すんですけれども、
そのプルトニウムがくっついた組織、近傍だけを大量に被曝をさせますので、
影響が大きいという推定もあります。
だから注意をしなければいけないし、特にα線を出すようなものについては、
どれだけあるかをしっかりと調べておく必要があると思います。
ただ、今現在のところでいえば、プルトニウムの被曝よりは、やはり事故が起きた直後はヨウ素、
現在はセシウム、そしてこれからのことでいうならば、セシウムとストロンチウムという核種の
被曝が中心になるだろうと思っています。
距離の離れた原子力発電所の近傍は、またプルトニウムが
問題になる場所があるかもしれませんけれども、遠く離れた場所というところで言うならば
やはり、セシウムとストロンチウムに注意をするというのが一番良いと思います。
L4:私は奈良に住んでいるんですが、周りには原発に無関心の人が多い気がします。
特に私の母は、70歳を超えているんですが、日本で起こっているこの大変な出来事を
全く人ごとのように暮らしております。先日も私が「関西にも放射性物質が降り注いでいる」と
言ったら、母は「家の中ではいいけど、それを外で言うな」と言われる始末です。
私の頭が変になったと思われています。
そこで小出先生に質問ですが、ここ関西にも微量であるにせよ、放射性物質は飛んできていると
思うんですが、その認識は間違っているんでしょうか?
小出:合っています。勿論、関西だけではありません。
九州だって沖縄だって、もっと言うなら米国だって、ヨーロッパだって、
もう全部の地球に福島原子力発電所からの放射能が広がっていってしまっています。
ただし、降り注いでいる量というのが、福島の原子力発電所周辺は、ものすごい濃密であるし、
関西に飛んできている量は、それに比べれば随分薄まっているということなのですね。
勿論ちゃんと注意をしなければいけませんけれども、注意をするときに、自分の身が心配なのか、
あるいは奈良の子供たちが心配なのか、あるいはもっと言うなら福島の子供たちが心配なのかと、
きちんと何が一番大切なことなのかということを考えてほしいと思います。
L5:もんじゅの落下装置が23日にも引き抜きという報道が出ましたが、
引き抜き作業は、果たしてうまくいくんでしょうか?
また、もし作業が失敗した場合、爆発する危険性はあるんでしょうか?大変心配です。
小出:私も心配です。
もんじゅという原子炉は、大変特殊な原子炉で、福島原子力発電所を含めて、
殆どすべての原子炉は、炉心という部分を水で冷やすことができるのですが、
もんじゅは、高速増殖炉という名前の原子炉ですけれども、
それは原子炉を冷やすために、水を使えないという宿命を持っていまして、
炉心を冷やすためにナトリウムという物質を使っています。
その物質は、大変爆発的な活性が高くて、空気に触れると火事になりますし、
水に触れると爆発するという物質なのです。
それで原子炉を冷やそうとしたわけですけれども、冷やすためのナトリウムがある場所に、
燃料を交換するための中継装置というのを元々使うのですが、
それを落としてしまったのですね。それを引き出そうとするわけですけれども、
空気中に引き出せば、ナトリウムが火事を起こしますので、引き出す場所全体を覆うような
特別な部屋を作らなければいけないし、中継装置全体を引き出そうと思うと、
重量が多分10トン近くなると思いますので、かなり力のあるクレーンじゃないと、
それを引き出すこともできないということで、
本当にそういう作業を全く空気に触れないまま、できるのだろうかということは、とっても難しいし、
勿論配慮をしながらやるのでしょうけれども、万一空気に触れてしまえば、それで火事になる。
火事になったときに、福島の場合には燃料が溶けそうだというので、
水をジャージャーとかけることができたわけですけれども、
もんじゅの場合は、水をかけることすらできないのですね。
だから、殆ど手をこまねいて見るしかないということになりますので、
大規模の火災に発展するという可能性はあると思います。
なんとかそうならないように願っています。
DJ:福島よりさらに難しいような状況になってしまう可能性もあるということですか?
小出:そうです。もし事故が起きれば、福島の比ではありません。
近藤:95年には、ナトリウム漏れ事故がありましたけれども、
そういう意味では潜在的な危険性というのは、本当に他の原子炉とは比較にならないと?
小出:そうです。とてつもなく扱いにくい原子炉です。
以上
もんじゅは、無事に作業が終了したようで安心したけど、とりあえずってことやよな。
武田先生も日本で一番危険や言うてたし。
注意するときに誰を心配するか・・か。
そら家族やろ。自分は後回しやわな。
福島の子供たち・・これは心配してもどうしようもない。
以前、要望書に投じたことはあるけど、せいぜいできることはそれぐらい。
もう政府なんかアテにせんと、さっさと避難して!と思たところで、
その子供たちの親御さんが決めることであって、他人が強制できるわけもなく
アンタらには分らんわ!って言われるのがオチやと思う。
色々事情があるやろう。けど、その事情が一番大切か?と思うねんな。
これ、放射性物質が見えたらどうやろ?
例えば黄砂なんか、肉眼で見えるから、きれいに拭き取るし
窓開けたり、洗濯もん干したりとかはすることないけど
放射性物質も見えたら?しかも、それに数値が表示されてたとしたら?
たら~の話しかできんけど、
もし見えたら、仕事が・・学校が・・お金が・・って、いっぱい事情があっても、
とりあえず逃げると思う。
見えへんことが、一番の原因やと思う。
野菜でも魚でもそう。見えたら、食べへんやろ?
ちょっとでも、カビ生えてたら食べへんやん。見えへんから、かわいそう!で買えるんやと思う。
カビと一緒にするな!と思うかもしれんけど、要は見えへんからって言いたいだけ。
見えたら、政府も隠蔽でけへんし。
見えたら、L4のお母さんみたいな発言もないやろうし
見えたら、頑張って気をつけてるお母さんが白い目で見られることもない。
そやから、イメージするしかない。
見えへんもんを見えてるように。
例え、そこになくても、あるかのようにイメージして対処するしかない。
そこになかったらないで、あ~無駄やったか・・と思うだけのことやし。
できればガイガーで、大事な家族の行動範囲を測定して、各家でどこまで受け入れるか
相談したらええと思う。
色々事情、誰でもある。けど、覚悟決めて、対処しながらそこで踏ん張るか
さっさと避難するか、どうすることもできんと、モヤモヤ迷てるとしたら
見えたら?もしも見えたらどうするか?ていう角度に切替えて、考えてみたらどうかなと思う。
明日は我が身。うちならどうするか?もう答えは決まってる。
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