2011-06-10

2011年6月9日(木)、MBS(毎日放送)ラジオ「たね蒔きジャーナル」小出裕章氏が出演

6月9日 ストロンチウムよりセシウムが影響大 小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)

DJ:福島第一原発から62キロ離れた福島市などで
ストロンチウムという物質が検出されたと
文部科学省が発表したというニュースが伝えられました。
リスナーより
「次々と、かなり後になってから発表される色々なデータ、
本当にうんざりしています。
今度は土壌から、ストロンチウムが検出されたとか。
セシウム以上に危険な放射性物質だそうですね」というメール。
ストロンチウムというのは、かなり危険な物質なんですか?

小出:危険な放射性核種の一つです。
セシウムに比べれば十倍とか何十倍も危険というようなものです。
ただ、検出された量自身はセシウムに比べて、
また逆に、何百分の1、多分1000分の1ぐらいに低かったと思いますが
今現在の福島の人たちが、どちらの放射性核種から
危険が大きいかと言えば、私はセシウムだと思っています。

DJ:セシウムの汚染というのは、非常に広範囲に広がってるんですよね。

小出:はい、もう全地球と言っていいくらいに広がっています

DJ:セシウムは、人体にどんな影響を及ぼしてくるんでしょうか?

小出:セシウムは、アルカリ金属という元素分に属して
その中ではカリウムという放射性物質と同じような挙動をとります。
つまり、全身に分布して、平均的に分布するという
そういう性質をもったものです。

DJ:体の中のどこか一カ所に固まるということではなくて
全身に放射性物質が入り込んでしまって
そこで放射線を発射し続けるというような状況になるわけですか?

小出:そういうことになります。
逆にストロンチウムのほうは、アルカリ土類金属という
元素分に属しまして、皆さんが馴染み深いのでは、
カルシウムという元素と同じ挙動をとります。
つまり、骨に溜まってしまって、
骨を集中的に被曝させるということになります。

DJ:今回はストロンチウムが検出されたということは
新たにまた危険性も出てきたということだと思うんですけれども。

小出:そうです。

DJ:ストロンチウムというのは原子炉の炉心が
より高温になってから溶け出して気化するということで、
それが見つかったことは
炉心が早い段階で溶け出していたことを意味するというような
報道を見たんですけれども、それなら炉の状態を知るために
もっと早く、ストロンチウムを調べて見つけておけば
良かったんじゃないかなあと、
なぜ今頃の発表になるのか疑問が出てくるんですが
小出先生は、どうご覧になりますか?

小出:そうですね。
ただ、ストロンチウムという放射性核種は、
β線という放射線しか出さないので、
γ線という放射線を出す場合には、その放射性核種を
測定することは、大変容易ですぐに結果が出るんですけれども、
γ線を放出しないで、β線しか出さないというストロンチウムを
測定するには、大変面倒な手続きがあって
多分、東京電力は困難の極みにあったと思いますし、
なかなか特殊型体制が取れないというのが起きていた
だろうと思います。
今回見つけたのは、何方なのか私は知りませんが
行政がやはり率先して、もっと早い段階でやるべきだったと思います。

DJ:ストロンチウムは、土にあるということなんですが、
水だとか農産物に影響が出たりということはないんでしょうか?

小出:勿論、これからはそうなります。

DJ:今の段階では、ストロンチウムよりもセシウムのほうに
気をつけなければいけないということですか?

小出:はい。今の段階でもそうですし、
これから時間が経過がしたとしても、ストロンチウムよりは、
セシウムのほうが被曝に重要な機能をすると私は思います。

DJ:放射性物質は、セシウムやストロンチウム以外にもあるんでしょうか?

小出:人間は、1950年代から60年代にかけて、
大量に大気圏内核実験というのをやったんですね。
そのために、いわゆる核分裂性物質というのが
大量に空気中にばらまかれて、全世界を汚染しました。
ばらまかれたセシウムとストロンチウムの量は殆ど同じ量なのです。
原発事故の場合であれば、ストロンチウムのほうが気化しにくいので、
今回の福島の原発事故のように、環境に出てきたのは
圧倒的にセシウムのほうが多いのですが
核実験の場合は、大気中で全部ばらまいてしまいますので
殆ど同じ量が出てきました。
そして、人類に一番被曝という意味で大きな影響を与えたのが、
ストロンチウム。そしてセシウムに続く。
そして、短半減期のヨウ素等が続いてきたわけで。
福島原発の事故も事故当時は、ヨウ素が一番問題でしたし
今後は、セシウムとストロンチウムが問題になっていくことになります。
そのうち、今回の事故の場合には、
セシウムの放出量が圧倒的に多かったので、
セシウムが中心の被曝になるだろうと私は思います。

DJ:今回事故を起こしたのと同じ型の原子炉格納容器について。
耐震強度が十分ではないと、アメリカの原子力規制委員会が
1980年、今から30年以上前に予測していたということなんですが、
先生はご存じでしたか?

小出:はい。そうです。
当時、その格納容器等を設計していたゼネラル・エレクトリック
というところの三人の技術者の方々が、
マークⅠという形の格納容器なんですが、構造的に弱いというふうに
告発をしまして、ゼネラル・エレクトリック社を退社すると
いうようなことになりました。

DJ:改善はされているんですか?

小出:勿論、その格納容器の形がマークⅠから、マークⅠ改良型、
マークⅡ、マークⅢというように、どんどん形が変わってきています。

DJ:マークⅠ自体は、今でも使われているんですか?

小出:勿論です。福島はマークⅠだったわけですし、
敦賀とか、女川とか、浜岡1、2は止まってしまいましたけとれども
たくさん、マークⅠを使っている原子力発電所はあります。

DJ:それは大丈夫なんでしょうか?

小出:大丈夫という意味では、どれも大丈夫じゃないんですね。
マークⅠより、マークⅡのほうが、少しはいいだろうという
程度であって、マークⅡだって壊れるときには壊れるし、
マークⅢだって、結局は同じことです。
技術というのは一歩一歩、少しずつは良くなってるという
その程度のことでしかありません。

DJ:30年前に危ないですよと指摘されたマークⅠ
今でも使われているという現実があるわけですか?

小出:そうです。

DJ:日本は、今原子力発電所を止めたら
電気っていうのは、どのくらい足りなくなるもんなんでしょうか?

小出:全く足りなくありません。完璧に足ります。

DJ:今、色んな報道で、電力が足りなくなるとか
夏に電力不足になるとかっていう話もありますけれども
どうして足りなくならないんですか?

小出:水力発電所と火力発電所が、膨大に日本にはあります
それを夏のピーク電力時に、ちゃんと動かせるのであれば、
原子力発電所は全く必要ありません

DJ:じゃ、どうして足りないと言われているんですか?

小出:マスコミが悪いと思います。

DJ:じゃ、今止めてしまったとしても、ほかの水力や火力とかで
そういったもので、必要な電力を作り出せるということですか?

小出:そうです。
私は政府の統計データしか知りませんけど、
政府の統計データに基づく限りは、十分に足ります。

DJ:普段、そういった発電所は、全力稼働されてなかったんですか?

小出:例えば年間の平均で言うならば、火力発電所は
5割は止まっています。要するに、止めなければいけないほど
発電所が余りすぎているということです。

DJ:今止まってる原子力発電所以外の発電所を動かすだけで
十分な電気の量は確保できるということなんですか?

小出:そうです。
ただ、電力会社から言えば、今は止めてある老朽した火力発電所も
動かさなければいけないということになるでしょうけれど、
原子力なんかをやるよりは、はるかに良いと私は思います。

落合:原発自体も、もう30年、40年経過しているやや古いやつが
たくさんありますよね。

小出:そうです。

DJ:太陽エネルギーとか、新しいエネルギーの開発を待たなくても
止めることができるということになりますけど、
コストの面はどうなんですか? 電気代とか高くなったりとか。

小出:コストは今まで電力会社の経営データを見ると、
原子力発電所が一番高かったわけですから、
経営上も原子力なんて辞めたほうがいいわけです。
その上、今回の事故のようなことを引き起こしてしまって
その費用を、もし電気代に上乗せするとしたら、
一体もうどれだけの電気代になってしまうか、
分からないほど、原子力というのは、高いです。

落合:海江田が原発を止めた場合、ほかの火力も含めて
なくなった場合、今年度の経費が2兆4千億円、
来年度以降は3兆円というふうに、言ってたんですけども
これは、正しいんでしょうか?

小出:それは石油を買う値段というのは、勿論あるわけですから、
お金が掛かるということは当たり前ですけど
その分ウランを買わなくてすむわけですし、
今回のような事故で、何十兆円掛かるのか知りませんけれども
はるかに楽にすむと思います。

DJ:今後、我々が生活を続けていく中において、
原子力発電でできる電力が不可欠だというわけではないんですね?

小出:全く違います。
皆さんが、国と電力会社に騙されてきたわけだし、
マスコミがその片棒を担いで、国民を騙してきたということですね。

落合:結局、正しい情報が開示されていないということですね。
当然、我々マスコミもかなり責任は大きいですけど。

小出:はい、そう思います。

DJ:じゃ、ほかの発電の方法で、十分日本全体の電力が
賄えるということですね?

小出:そうです。

以上

今回の事故がきっかけで、
色々、次々と出てくる国とマスゴミの陰謀(`エ´)ピャー
電子力発電が、一番コスト高いちゅうのは、
こないだテレビでやってたけど、
火力発電が5割も止めてるとか、
十分賄えるとはな~
自然エネルギーもいらんやん!
太陽光はな、あんまり賛成できひんねんな~
なんでかっちゅうと、自然破壊にも繋がるから!
例えば、鹿とかイノシシとか、生育してる場所もあるわけで
そういう野生の生息地帯まで、また人間が手を付けて
ほんで、イノシシに襲われたとか、熊に襲われたとか
ましてや射殺なんか、あり得んわ!

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