2011-06-21

2011/06/05(日)ETV特集「続報 放射能汚染地図」

ネットワークで作る放射線  5/15放送番組の続報

木村真三氏は原発から1.7キロ離れた地点で土壌の採取をした。
ブルトニウム238とほかのプルトニウムとの比率は
0.032が通常で、今回は0.059 で約2倍のプルトニウムが検出された。
このことについて

金沢大学教授/山本政儀氏
原発から出たプルトニウムの可能性が高い。
「核燃料が溶融しなければ現れないニオブ95
ニオブとかバリウムとか融点の高いものが試料の中にあるという事を考慮すると
かつレシオ(比率)が若干高くなっている事も考え合わせると
このプルトニウムは、福島第一原発の、どの原子炉か分からないけれど
そういう可能性が高いのではないかと思われます。」

日本原子力研究所原子炉安全工学部・研究主幹/田辺文也氏
「燃料が溶融しなければプルトニウムも含めて
テクネチウムであるとか、ルテニウム、ジルコニウムですね。
そういう沸点が3000度以上ないし、近傍のものは出てきませんから
それは明らかに、燃料が溶融した証拠です。」

プルトニウムは揮発しにくく、比重も大きいため
原子炉から外に出にくいと言われるが、田辺氏は コア・コンクリート反応だと言う。
コア・コンクリート反応 とは
メルトダウンした燃料が、格納容器に流れ落ち
底部にあるコンクリートに接触することで、エアロゾル上の煙が発生し、
プルトニウムは、その煙に運ばれて外に出たという。

「単純に換算すると、数十キロのプルトニウムが、エア・コンクリート反応で
どれだけ格納容器に流れ落ちたかという事に依存するわけですけれど
エアロゾル(煙霧質)となって、格納容器の外に出てくると
一番運ばれやすいシナリオなんですね。
起こりうる可能性が高いとすれば、2号機、3号機
圧力容器が最初に破損した13日でしたっけ。
2号機だと15日に圧力容器が破損したと考えられる。3号機だと3月13日に、
たぶん第一回目の圧力容器の貫通が始まったと思う。
そのあとに、最初の溶融炉心とエア・コンクリート反応が起こっても不思議ではない。
今検出された物が微量であったからといって、大丈夫ということではなく
ホットスポットが周りにある可能性がある。
もっと調査点を広げて、プルトニウムを含めて
きちんと汚染を調べる必要があるということを意味していると思う。」

原子力資料情報室理事/古川路明氏
「プルトニウムがあるということは、ほかの多くの種類の放射性物質
飛び出していることを示していると思います。
核燃料の中に入っている、極端に言えば、すべてのもの、
核燃料自体のウラン、プルトニウムは出てるわけです。
あと、アメリシウムとかキュリウムとか、あるいはネプツニウムとか
そういうものが、みんな出てる。
だから核燃料の内に入っているのがなんでも出て、
その中でプルトニウムがつかまっている。ほかの物もきっと出てくると思う。」

京都大学原子炉実験所 助教/今中哲二氏
「チェルノブイリの30キロ圏だったら、セシウムよりもジルコニウムとか、
セリウム、バリウムとかが初期の頃は非常に強かった。
プルトニウム、ウランもかなり出ていると思います。
今回は不幸中の幸いというか、多分ウラン、プルトニウム系は
比較的少ないだろうと思います。
ストロンチウムも少ないということで、汚染に対しては、
比較的チェルノブイリの場合に比べると相手はしやすい。
これから、結局福島の汚染地帯で、どうするのかと。
勿論、避難した人、どうしても家に帰りたいという人もいるだろうし
戻るのがいやだという人もいるだろうし、まず向かい合うために、
汚染データをちゃんと取って、まさに、一軒ずつ取る必要があると思う。
村、家ははたして住むのに適しているのか、判断を問われるわけですよね。
まず、考えるためのベースは汚染レベルですよね。
その次に、放射能汚染があることによって、人々がどれくらい被曝するのか、
これもきちんと評価して測定もしていかなきゃいけないし、
そこに戻るか、放棄はするのかを決めるのは、そこに住んでいる人、住んでいた人が、
決められるような形での情報、知恵を提供していく責任が、本来は東電にある。
だけど、原子力政策をやってきた日本の政府にもある。」

北海道大学医学部非常勤講師/木村真三氏「プルトニウムが見つかったといっても、わずか一カ所だけ。
ただ、プルトニウムの危険性は十分にある。
先ほど田辺先生も仰っていたように、広範囲に調べる必要性がある。」

元理化学研究所/岡野眞治博士  
「放射線のレベルと広がりと、どういう種類の放射性物質が出たかが重要
外部からくる放射線とか、それを通して食べ物にどう入ってくるかということを
的確に捉えて対応することが重要」

以上、各専門家の言及でした。
木村氏は、独立行政法人労働安全衛生総合研究所の研究員やったそうで、
福島原発の事故発生後に『独自で測定しに行かないように』という圧力があったらしい。
で、木村氏は辞表を提出して、福島の調査を行い汚染地図を作製した。
彼のおかげで、どこがどれぐらい汚染されてるか実態が分ってきた。

岡野博士は、日本の放射線計測学の第一人者で、理化学研究所を退職され、現在84歳。
福島原発の事故発生を聞いて、何を思ったか・・・
「現場が大変になると思いました。
なぜなら、原子力の現場の恐ろしさを知っている人がいないから。
現場の場数を踏んでいる専門家がめっきり少なくなっている。
情報や知識は沢山あるけれど、いざというときの対処を知っている人がいない
それは、社会全体が『原子力は安全だ』という風潮になってしまったからです。
汚染のレベルは、単純に事故現場からの距離で決るものではないのです
それを20km以内だからああしろ、30km以内だからこうしろと一律にいうのは、
単なる行政としての扱いに過ぎません。」
週刊現代5/23号より


これほどの専門家の方々が、この日本に居るいうのに、
なんでこんなことになったんやろ?
小出先生のように、40年も警鐘を鳴らしてたのに
とうとう事故が起こってしもた。
けど、事故が起こったら、どういうことになるんか、
どういう対処をしたらええんか、みんな知ってたってことやよな。
武田先生は、4月4日のブログに日本全土に広がる怖れもあるってことで
ドイツ気象サービスの存在を教えてくれた。
けど、メディアで取り上げることはできひんかったんやろか?
この「ネットワークで作る放射線」てNHKが2回に渡って放映したけど
事故発生当初は、NHKもどのメディアも御用達学者のオンパレード!
豚野の「直ちに健康に影響はない」から始まって、安心・安全!を発信しまくり。
ここまで被曝する前に、被曝する可能性の高い人たちへ発信する術は
なかったんやろか?

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