2011-06-09

2011年6月8日(水)、MBS(毎日放送)ラジオ「たね蒔きジャーナル」小出裕章氏が出演

6月8日 今までと違う世界に生きる覚悟 小出裕章(京大原子炉実験所助教)
汚泥から相次いで放射性物質を検出

DJ:東日本の下水処理施設の汚泥から、相次いで放射性物質が
検出されているんですが、東京都内の汚泥にも色々と問題が生じていると
いうお話を伺いたいと思っております。
東京には、関西の方たちにとってもご家族が居たり、知人の方も
多いんではないかと思います。
私にとっては、まずは近藤さんの顔が浮かぶわけなんです。
東京の汚泥処理施設での話なんですが、
まず大田区にある下水処理施設の中の空気を調べてみたら、
毎時2.7マイクロシーベルトの放射線量が検出されたと言います。
この数字をどうご覧になりますか?

小出:高いですね。普通だと0.05ぐらいしかないわけですから
50倍もあるということですね。

DJ:これは現在、計画的避難区域になっている福島県の飯舘村でも
これぐらいの高さが検出されていると思うんですけれども。
ただ、原発から230キロほど離れた場所なんですよ。

小出:下水処理場の汚水というのは、ものすごい濃縮されて出てきますので
そのくらいのことは、多分あちこちで出てくると思います。

DJ:東京の大田区の話だけではなくて、もっと、あるいは距離のある
こちらの関西に関しても、あり得る話なんですか?

小出:そうですね。関西でも勿論、下水処理場の汚泥というのは
それなりの濃度の放射能を含んで出てくると思います。

DJ:それはどうしてなんでしょうか?

小出:空気中を飛んで、放射能があちこちに汚染を広げたわけですけれども
それは結局、下水に流れ込んでくるものが勿論あるわけで、
下水処理場というのは、そういう流れ込んできた物質を
水の中から、取り分けて、水をきれいにするという
そういう施設ですので、取り分けられた放射能は汚泥のほうに
ものすごい倍率で濃縮されてしまうわけです。

DJ:ところが、これを調査しました東京都は、
これまで調査結果を公表しておりませんでした。
理由は「検出された場所が、あくまでもこの下水処理施設の中、
屋内である」と。「その処理施設の敷地の境界で計ったら問題がないので」
つまり、下水処理施設の敷地から外に出て行くときは
大丈夫じゃないかという意味だと思うんです。
「誤解を招くおそれがあるから、公表してなかった」と言うんですが
これは敷地内に、この濃度の放射性物質は留まるんですか?

小出:多分これまで、下水処理場の汚泥というのは、
コンクリートに混ぜるための材料として使ったりしてきたはず。

DJ:大体8割ほどが、セメントや肥料になるんだそうですね。

小出:はい。
ですから今後は、それをやってはいけないということになりますので
その汚泥をどうやって処分するかということが大切なことになります。

近藤:東京都が、そういう配慮で発表しないのはおかしいと思うんです。
つまり我々市民が、その情報を得て、判断すればいいことであって
東京都が事前に、そういう判断を自ら下して情報を伏せるって
おかしいんじゃないでしょうかね?

小出:おかしいですね。
元々、下水処理場というのは、放射線を取り扱う施設ではありませんし
放射線の管理区域にもなっていないはずですが
1時間に2.何マイクロシーベルトもの被曝環境であるとすれば
放射線の管理区域に、まず指定をしなければいけなくなるはずです。
ですから東京都という強制組織として、
そのこともきちっと手続きをしなければいけなかったはずだと思います。

DJ:公表しなかったということは、色々な面に影響してきますね。
例えば、作業員の方も普通の服装でなさっていたことになりますよね。

小出:元々、被曝管理もされていないはずですから、
作業員の方々も今までにどれだけの被曝をしてしまったのかということも
知り得ないまま、ここまで来てしまったと思います。

近藤:これから以降の段階で、パニックが起きるからとか、
いたずらに不安行動に走らせるからということをもって
情報をストップするのは、一切まかりならんと思うんですけど。

小出:私もそう思います。
マスコミの方には、十分心してほしいと思います。

DJ:5月の調査では、今申し上げている施設の焼却した灰から、
1キログラム当たり、1万ベクレルを超すセシウムが検出されていたんだそうです。
この値はどうなんでしょう?

小出:すごいですね。私は京都大学原子炉実験場で、
廃液の処理ということを毎日やっていますけれども、
そんなレベルの放射能を取り扱ったことは、未だかつて一度もありません。

DJ:そんな状況なのに、管理区域になっていないということですね。
一般の方が立ち入ることができるままに置かれていると。

小出:そうですね。

DJ:先ほど、小出先生もご指摘なさったように、セメントとして
こうした汚泥を再利用することを国は進めているわけですよね。
ただ、セメントや肥料にするにあたって、国は
「1キロ当たり100ベクレル以下になっていれば、問題はない」
と言っているんです。どうでしょう?

小出:私は何度も申し上げてたと思うけれども、
放射線というのは、どんなに微量でも危険なわけです。
ですから、1キログラム当たり100ベクレルであっても、
勿論危険があるし、仮に10ベクレルだって危険があるわけですね。
ですから、どこまでなら、社会的に受け入れが可能なのかということを
どこかで、その判断をするしかないということなのですが、
大田区で出てきているような汚泥は、もう猛烈な濃度ですので
まずは、これからどうやって始末をするのかということを
きちっと方針を示していただかないといけないと思います。

DJ:国が、こうした基準を出したのが5月でして、
それまでの分については、もうセメントになって出回っている
という情報もあるんですね。
どこにそのセメントが行ってるかも分からないでしょうし。

小出:そういうことですね。

DJ:例えば、セメントで道路を舗装したとして、
その道路からずっと放射性物質が出るわけですよね?

小出:そうですね。放射線が飛び出してくるわけですね。

DJ:例えば、それをビルの建築に使っていたとして、
1キロ当たり100ベクレルとしても、わずか1キロでのセメントで
建物って建ちませんよね?

小出:建物中が

DJ:建物中が汚染された物質で覆われているということになるわけですね。

小出:そうなりますね。

DJ:例え1キロ当たり100ベクレルという基準を示しても
何十キロ、何百キロ使うか分からないわけですから
その分に、どんどん積算されていくもんなんですか?

小出:はい、勿論そうです。量が増えれば増えるだけ。

DJ:100キロだったら100倍になるわけですか?
そしたら1キロ当たり100ベクレルという基準のありよう自体は?

小出:私は勿論、お勧めしたくはないけれども、もう地球上すべて
福島からの放射能で汚れしまっているわけですね。
もうこういう事故を招いてしまった日本という
この国は、その汚染から逃れられないと、
覚悟を決める以外に私はないと思います。
でも、例えば小学校に、そういうものを使わないとか
そういう配慮は、やっぱりあって然るべきだと思います。

DJ:汚染された世界で生きていかねばならないとしても
まず、子供たちを守るには、どうしたらいいかということを
考えなければいけない時期に来てしまっていると。

小出:そういう世界になってしまったんですね。

DJ:東京の江東区の保護者で作っている会で
汚泥処理施設の近くのグラウンドの土から、高い濃度の放射性物質を
検出したと発表しております。
近隣の皆さんにとっても大変不安かと思うんですね。
どういうふうに考えたらよろしいんでしょうか?

小出:今私は、俄には理解できませんが、
汚泥処理施設で、もし何か焼却をして、汚泥を処理するような作業が
あるとすると、煙のほうに放射性物質が出てきて
それが施設の周辺に汚染を広げるということがあるだろうと
思います。その施設がどんな作業をしているか分かりませんが。
でも、周辺にそういう異常な濃度があるということは
多分、焼却をしているのではないかなと私は思いました。

DJ:焼却をすると灰が出ます。
その灰は、勿論汚染されたままで、大気中に出て行く。
焼却をストップさせなきゃいけないわけですが。

小出:勿論です。特に放射性物質が出てきているということであれば
焼却をまずストップさせなければいけませんし、
もしこれからやるというならば、煙を処理するための高性能なフィルターとか
そういう施設を付けてからでなければ、やってはいけないと思います。

DJ:しかし汚泥は毎日溜まるわけで、もう汚泥を置いておく場所がない。
あるいは焼却したものを、灰を外に出さないようにしたら、
中で灰を置いておく場所が、もうなくなりかけている。
そういう状況で、何をしたらよろしいでしょう?

小出:分かりません。
私は、こんなことが起きないように、原発を止めたかったわけですけれども、
既に事故が起きてしまったので、
もうこれからは今までの世界とは違った世界
私たちが生きるしかないと思っていただくしかないと思います。


うちらは、今までとは違う世界で生きていく覚悟せなあかんとしても
こういう日本にした東電と政府には、
きっちりと責任とってもらうからな!
数年後には、間違いなく被曝患者が出てくるやろう。
どんなことしてでも、犯罪者は罪を償ってもらわなな!

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